研究分担者 |
伊藤 修 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (00361072)
原田 卓 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (70292216)
趙 彩尹 下関市立大学, 経済学研究科, 准教授 (70834654)
吉田 直記 東北大学, 医学系研究科, 助手 (80900290)
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研究実績の概要 |
遺伝子研究に関しては、American College of Medical Genetics and Genomics(ACMG)から発表されている625個の腎障害関連遺伝子の日本人における保有率調査のほか,ToMMoに登録されているビッグデータ(血清,尿,疫学情報,調査票情報)も用いて腎障害リスク因子を検討した。具体的には地域住民コホート67Kデータのうち、JPAV2のSNP情報が付与された集団を用い、腎障害関連遺伝子から導かれるrisk scoreとeGFRの関連を分析,同様にApoL1遺伝子多型とeGFRの関連の分析を進めた.またベースライン腎機能異常者(約5000名)のうち詳細二次調査における腎機能改善群と腎機能悪化群を比較し、腎機能悪化を予測するベースラインの危険因子を分析をした.動物実験としては、フルクトース負荷ダール食塩感受性ラット腎障害モデルにレニン・アンジオテンシン系が関与していることが明らかになった。5/6腎摘除して作成したCKDラットモデルに対する運動療法により、血圧低下と腎保護作用が認められた。その作用機序として、5/6腎摘除ラットでは腎collagen type I, TGF-β1, MMP-2, MMP-9, TIMP-1, ACE発現が亢進している一方、運動が腎collagen type I, TGF-β1, TIMP-1, angiotensinogen , ACEの発現を抑制した。すなわち、運動が腎間質のコラーゲンを抑制すること、腎臓のレニン・アンジオテンシン系を抑制することが示唆された。国際会議論文(J Ren Nutr)のなかで、申請者が行ってきた腎臓リハビリの活動(日本腎臓リハビリ学会の設立、慢性腎臓病患者に対する運動療法診療報酬適応に成功、腎臓リハビリ指導士制度の制定、腎臓リハビリガイドラインの作成)が評価されて、盛り込まれた。
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