研究課題/領域番号 |
20H04047
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
猪原 匡史 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (00372590)
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研究分担者 |
福間 一樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (20820674)
西村 邦宏 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (70397834)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 摂食嚥下障害 |
研究実績の概要 |
高齢者の誤嚥性肺炎は増加傾向にあり死因の上位に浮上しているが、嚥下障害の主因である脳卒中後嚥下障害における急性期の診療エビデンスは乏しい。我々は3248例の脳卒中急性期患者の嚥下障害・栄養指数データベースを有しており、近年の脳卒中患者の特徴として軽度運動機能障害患者でも嚥下障害合併率が増加し、高齢・低栄養状態が嚥下機能予後に関連していることを明らかにした。そこで、重要な嚥下障害リスク因子と想定される認知症・サルコペニア/フレイル/低栄養に対応した多角的な診療システムを構築し、非侵襲的な嚥下障害診断機器の臨床開発を進めてきた。本研究では、①非侵襲的診断機器を組み合わせたハイブリッド嚥下スクリーニング法の開発、②高齢者の脳卒中後嚥下障害急性期の病態解明に基づく包括的な診断・治療アルゴリズムの構築を行う。本邦の脳卒中治療ガイドラインに反映すべく脳卒中後嚥下障害の診療指針の確立を目指す。 非侵襲的診断機器を用いた診断法の開発に向けて、嚥下障害の候補指標を抽出し、症例登録と解析を進めた。 摂食嚥下障害の診断・治療アルゴリズムの確立に向けて、2020年7月より、摂食嚥下機能・サルコペニア・栄養状態に関する臨床データと口腔内・腸内細菌叢(マイクロバイオーム)データを包括する前向き脳卒中レジストリの構築を開始し、2020年度摂食嚥下リハビリテーション学会の助成研究賞に採択された。2021年4月時点で160例の脳卒中症例の登録、100例を超える口内・腸内細菌叢解析を行った。さらに、既に構築している脳卒中急性期患者の嚥下障害・栄養指数データベースを解析し、脳幹出血と被殻出血の予後予測モデルの開発を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非侵襲的診断機器を用いた診断法の開発に向けて、嚥下障害の候補指標を抽出し、症例登録と解析を進めた。 摂食嚥下障害の診断・治療アルゴリズムの確立に向けて、2020年7月より、摂食嚥下機能・サルコペニア・栄養状態に関する臨床データと口腔内・腸内細菌叢(マイクロバイオーム)データを包括する前向き脳卒中レジストリの構築を開始し、2020年度摂食嚥下リハビリテーション学会の助成研究賞に採択された。2021年4月時点で160例の脳卒中症例の登録、100例を超える口内・腸内細菌叢解析を行った。さらに、既に構築している脳卒中急性期患者の嚥下障害・栄養指数データベースを解析し、脳幹出血と被殻出血の予後予測モデルの開発を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、臨床データとマイクロバイオームデータを包括する前向き脳卒中レジストリの登録患者において、嚥下機能計測装置による評価を行い、データを蓄積する。嚥下機能計測装置を用いた摂食嚥下機能評価法を開発する。さらに、マイクロバイオーム―サルコペニア―摂食嚥下障害の病態連関を明らかにし、包括的な診療アルゴリズムの開発を目指す。
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