研究課題/領域番号 |
20H04052
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
品岡 玲 岡山大学, 大学病院, 助教 (90724500)
|
研究分担者 |
中原 龍一 岡山大学, 大学病院, 助教 (30509477)
大塚 愛二 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特命教授 (50168986)
木股 敬裕 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50392345)
山田 潔 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10319965)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | リンパ浮腫 / リンパ解剖 |
研究実績の概要 |
リンパ浮腫は、癌サバイバーが増加とともに患者数が急速に増加しているが、一方で解剖学的根拠のある画像診断法とそれに基づいた治療指針は確立されていない。しかし申請者は遺体研究に基づいたリンパ画像診断技術、さらに新・複合的理学療法治療体系を構築した。今回、撮像機器の開発により人工知能(AI)学習用データを大量に収拾し、AI画像診断技術システムを開発、さらには画像診断学的根拠に基づいた新・複合的理学療法を普及させる。リンパ浮腫になると、周囲のリンパ系が側副路として働くことが観察される。背景の病態も明らかにするために、下腿・大腿部・下腹部・陰部リンパ系の解剖情報も追加した。下腿末梢からのリンパ管グループは4つ(AL,AM,PM,PL)に分けられること、到着するリンパ節は3つである事(SP,IL1,IL2)を既に報告している。下腿部のリンパ管は主にALとAMに合流し、独立したリンパ管グループを持たないことが明らかになった。リンパ節もIL1もしくはSL2に合流し、独立したリンパ節は持たないことが明らかになった。大腿部のリンパ管も主にはALに合流し、IL2リンパ節に到着するため、独立したリンパ系でないことが明らかになった。下腹部からのリンパ管はSLリンパ節に到着し、下肢からのリンパ系とは異なることを明らかにした。陰部からのリンパ系はSMリンパ節に到着し下肢・下腹部からのリンパ系とは独立することを明らかにした。 近赤外領域に特化したカメラ・広角レンズ・ロングパスフィルターを使用して、広角に近赤外画像を取り込めるシステムを構築した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ蔓延により研究機材・素材の確保が遅延したため。
|
今後の研究の推進方策 |
画像データを収集 【方法】遺体・患者から画像データを収集する。遺体は年間200肢、患者は3病院で年間 1200肢収集することが可能である。しかしAI解析のためにさらに大量の画像が必要である。撮像方向を増やすなど同一患者からの情報を増やす手法があるが、どのような手法が有用かは不明であるため、研究④と共同して画像を増加させる撮像法の研究も同時進行で行う。 画像データを元にAI解析 【方法】下肢リンパ系を解剖学的エリアごとにA,B,C,Dの4グループに分けることに成功している。その存在率をリンパ浮腫患者にて解析すると、それぞれは独立して存在・欠損するため2^4=16パターン存在することが分かった。16パターンに分類するには大量の画像が必要であるが、しかし実際には16パターン中、6パターンのみ治療上有用であり、この6パターンを診断することができれば最適な治療を行うことができることがわかっているため必要画像数を抑えることができる。これらを取得を開始する。
|