研究課題
【研究の概要】これまで脳卒中片麻痺に対するリハビリテーション治療として運動療法や薬物療法、物理的刺激などの臨床的有用性を検討してきたが、機能回復 に伴う中枢神経系の作用機序については不明の点も多い。本研究では、霊長類による『脳梗塞片麻痺モデル』を用いて、これまで基礎的研究が困難であった慢性 期の脳梗塞に対する新たなリハビリテーションや物理療法、薬物療法の併用効果を検証し、加えて回復に寄与した神経メカニズムについて組織学的及び電気生理学的に追及していくことを目的とし、以下の研究を実施した。1.脳梗塞モデルの作成と脳地図作成:コモンマーモセットを全身麻酔下で頭部正中を皮切後、術中マッピングで大脳半球感覚運動野を同定する。光感受性色素であるローズベンガル を静脈から注入し、緑色光線を大脳半球感覚運動野に照射して、脳梗塞片麻痺モデルを作成する。術後、MRIを用いて脳梗塞領域を確認し、実験終了後に組織学的評価を行った。2.運動機能評価法:術後から3次元動作解析ソフトで行動解析を行う。行動場面を観察し、マーモセットの行動様式に合わせた独自のスコアリングを行う。3.治療介入法(光操作法):治療介入としてコモンマーモセットに対し、大脳運動野における脳梗塞の作成予定領域周辺に光遺伝学用ウイルスベクターを注入した。脳梗塞術後、青色光刺激で脳梗塞周辺の神経細胞の活性化を図った。光刺激を加えた群とコントロール群を比較して運動機能回復変化や組織学的に変化が生じるか検証した。4.学会発表:非ヒト霊長類脳梗塞モデルに対する光操作法を用いたリハビリテーション治療効果について学会発表を行った。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Frontiers in Neuroscience
巻: 16 ページ: 964928
10.3389/fnins.2022.964928