研究課題/領域番号 |
20H04063
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大藏 倫博 筑波大学, 体育系, 教授 (60396611)
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研究分担者 |
新井 哲明 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90291145)
上野 友之 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10390931)
尹 之恩 筑波大学, テーラーメイドQOLプログラム開発研究センター, 研究員 (60813277)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知症予防 / アミロイドベータ / マルチタスク運動 / MARDI-TOF質量分析法 |
研究実績の概要 |
認知症高齢者が急増する中、認知症の発症を抑制する介入方法の開発が強く求められている。近年、運動による新たな認知症予防法として、脳賦活訓練と運動を融合したマルチタスク運動(MTE)に注目が集まっている。一方、アルツハイマー型認知症のバイオマーカーであるアミロイドベータ(Aβ)は、認知症発症の 20年以上前から脳への沈着が始まっていると言われている。そこで本研究では、Aβを主要評価項目とし、認知機能を副次評価項目とするRCTにより、MTEの認知症予防効果を明らかにすることを目的とした。 令和2年度(初年度)は、MTEの効果検証(介入研究)を開始するための準備期間に位置付けた。住民基本台帳から抽出した2,000名の高齢者を研究対象者候補として参加依頼文書を送付し、令和2年7月にスクリーニング検査をおこなった結果、100名の高齢者が本研究の対象者として選定された。なお、本研究への参加条件は、①医師から運動を禁止されていない者、②自力で本研究の実施場所まで通える者とした。除外基準は、①認知症の者、②麻痺がある者、③他の臨床研究に現在参加している者、または3ヵ月以内に参加していた者、⑤研究代表者が本研究の対象者として不適切と判断した者であった。層別ランダム化(年齢、性別)により①MTE群(33名、74.8歳)、②シングルタスク(STE)群(34名、74.5歳)、③コントロール(CT)群(33名、75.0歳)の3群割付けをおこなった。参加者に対して研究の説明会を開催し、資料に基づき口頭(対面)で説明をおこない、参加に対する同意を得た。介入内容は、MTE群は毎週1回、スクエアステップエクササイズを90分間行う(準備運動、整理運動を含む)。STE群は週1回、ウォーキングを60分間自主的に行うこととし、CT群は介入期間中、現在の生活習慣を維持することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い茨城県でも独自の緊急事態宣言が発出されるなどしたことにより、研究のあらゆる準備状況に遅延が生じ、さらに対象者に対する研究説明の機会が大幅に減少したため、当初の研究計画を大幅に見直さざるを得なくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、主に各群に対する介入を行う。 ①MTE群:6月7日からスタートする予定である。運動支援ボランティアにより運営されている「スクエアステップサークル」に参加する。参加頻度は、週1回であり運動時間は準備運動及び整理運動を含めて90分間とする。 ②STE群:MTE群と同時にスタートする。週1回、1回60分間のウォーキングを自主的に行う。ウォーキングを実践した日は、その内容を運動日誌に記入し、定期的に確認する。 ③コントロール群:今までの生活習慣を変えずに日常生活を行う。 なお、3群ともベースラインにて「運動習慣」を調査し、運動習慣ありの参加者は、その運動内容に関しては変えることなくそのまま維持することとする。
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