本研究の目的は,走動作遊脚期後半でのハムストリングスの筋腱ダイナミクスに影響する筋腱の構造的・機械的特性および動作的特徴を明らかにすることであった.40名の大学男性アスリートを対象にし,動作計測を行い,最適化計算を用いて筋腱ダイナミクスを算出した.その結果,筋腱ダイナミクスに関して,1)ハムストリングス内で筋間差が生じ,その要因は腱の自然長や筋線維の至適長といった筋腱の構造的特性の筋間差であること,2)腱の自然長,最大等尺性発揮張力,および筋線維の至適長の変動による影響がより大きいこと,3)膝関節の屈曲伸展軸における動作変化による影響がより大きいこと,などを明らかにすることができた.
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