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2023 年度 実績報告書

RNA結合タンパク質Musashiが骨格筋の萎縮を防ぐ機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H04079
研究機関東京都立大学

研究代表者

古市 泰郎  東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (40733035)

研究分担者 眞鍋 康子  東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (60467412)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード骨格筋 / 筋線維タイプ / 糖代謝 / RNA結合タンパク質
研究実績の概要

骨格筋の萎縮は生活の質の低下に直結するため、その機序を解明して予防法を確立することが求められている。申請者はこれまで、筋萎縮を引き起こす新規因子を網羅的に探索した結果、神経発生やガン発生に関わるMusashi2(Msi2)が骨格筋の萎縮とともに発現低下することを見出した。Msi2は特定のmRNAに結合してその発現量を調節し、細胞が分化するか否かを決める運命決定因子として発見されたが、骨格筋での働きは不明であった。
Msi2は代謝能力と疲労耐性に優れる遅筋タイプの骨格筋でその発現量が多く、また、組織学的に筋線維タイプで発現量を比較すると速筋でありながら遅筋の性質に近いType IIa線維で発現が強かった。Msi2の働きを明らかにするため、Msi2を欠損したマウスの骨格筋を解析したところ、Msi2欠損マウスでは野生型マウスに比べてヒラメ筋で萎縮しているだけでなく、通常は赤い色が白く変色していた。Msi2欠損マウスでは耐糖能の低下と活動量の減少が観察された。さらにType IIa線維数が減少して、ミトコンドリア量の低下と筋の発揮張力の低下が認められた。一方で、Msi2遺伝子を骨格筋からクローニングし、エレクトロポレーション法によってマウス前脛骨筋にMsi2を遺伝子導入したところ、ミトコンドリアマーカーと酸素結合タンパク質であるミオグロビンタンパク質がMsi2過剰発現によって増加した。さらに、Msi2が制御する分子機序を明らかにするために、RNAシーケンスによる網羅的な遺伝子発現解析を行い、Msi2の欠損によって変化する遺伝子を同定し、続いてCLIP-PCR法によってMsi2が結合しているmRNAを発見した。
以上のように、Msi2による遺伝子発現調節は骨格筋の量と質を制御していることが明らかとなり、Msi2は骨格筋の恒常性に必須な新規因子であることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Lack of Musashi‐2 induces type IIa fiber‐dominated muscle atrophy2023

    • 著者名/発表者名
      Furuichi Yasuro、Furutani Ayana、Tamura Kotaro、Manabe Yasuko、Fujii Nobuharu L.
    • 雑誌名

      The FASEB Journal

      巻: 37 ページ: e23154

    • DOI

      10.1096/fj.202300563R

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Preparation of mechanically patterned hydrogels for controlling the self-condensation of cells2023

    • 著者名/発表者名
      Matsuzaki T、Kawano Y、Horikiri M、Shimokawa Y、Yamazaki T、Okuma N、Koike H、Kimura M、Kawamura R、Yoneyama Y、Furuichi Y、Hakuno F、Takahashi S、Nakabayashi S、Okamoto S、Nakauchi H、Taniguchi H、Takebe T、Yoshikawa H Y.
    • 雑誌名

      STAR Protocols

      巻: 4 ページ: 102471~102471

    • DOI

      10.1016/j.xpro.2023.102471

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Stable isotope-labeled carnitine reveals its rapid transport into muscle cells and acetylation during contraction2023

    • 著者名/発表者名
      Furuichi Yasuro、Goto-Inoue Naoko、Uchida Saki、Masuda Shun、Manabe Yasuko、Fujii Nobuharu L.
    • 雑誌名

      Heliyon

      巻: 9 ページ: e15281~e15281

    • DOI

      10.1016/j.heliyon.2023.e15281

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 骨格筋恒常性における Musashi の役割2023

    • 著者名/発表者名
      古市泰郎, 古谷綾菜
    • 雑誌名

      Medical Science Digest

      巻: 49 ページ: 43-45

  • [学会発表] Musashi2の欠損はType IIa線維の減少と糖代謝量の低下を誘導する2023

    • 著者名/発表者名
      古谷 綾菜, 眞鍋 康子, 藤井 宣晴, 古市 泰郎
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
  • [備考] 【研究発表】骨格筋の量と質を制御する新たなカギ因子を発見

    • URL

      https://www.tmu.ac.jp/news/topics/35952.html

  • [備考] EurekAlert! 記事

    • URL

      https://www.eurekalert.org/news-releases/1000614

  • [備考] EurekAlert! 記事

    • URL

      https://www.eurekalert.org/news-releases/987378

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公開日: 2024-12-25  

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