研究課題
前年度からの継続で,腸内細菌叢,血液中胆汁酸,骨格筋代謝の関係を検討した。高強度走運動(最大運動強度80%以上)を負荷したマウスの腸内細菌の機能を評価し,運動強度の違いが宿主へおよぼす影響を考察した。腸内細菌を移植したレシピエントでは,高脂肪食条件下での血糖上昇が抑制され,耐糖能の改善を観察した。糖負荷試験,インスリン負荷試験での血糖変動においても同様の傾向が確認された。そのため,運動マウス由来の腸内細菌による糖代謝改善作用は,高強度運動においても認められることが示唆された。一方,高強度運動直後には,腸管バリア機能の低下がみられた。腸組織で生じる酸化ストレスによりタイトジャンクションが破綻し,腸管透過性が亢進することが示唆された。水溶性食物繊維を摂取させたマウスでは,高強度運動による腸管透過性の上昇は抑制され,食事による腸内環境の改善が朝刊バリア機能の維持に寄与することが示唆された。また,骨格筋AMPK欠損マウスにおいて,腸内細菌占有率を野生型マウスと比較したところ,Butyricicoccus属,Lachnospiraceae科など複数の菌で違いがみられ,菌叢の変化を観察した。さらに,中高齢健常者を対象に血漿中胆汁酸の解析を進めた。胆汁酸プロファイルと体格,体力,身体活動,食習慣の関係について,重相関分析をしたところ,身体活動や茶摂取とデオキシコール酸濃度の間に負の相関を認めた。また,コレステロール摂取量と抱合型一次胆汁酸濃度の間に正の相関を認めた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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