研究実績の概要 |
音楽家の脳機能の解明及びその基礎となる音楽の脳内処理メカニズムの解明を目的として研究を実施し、論文・解説記事計14件発表(内査読付論文8件)、国際学会発表計14件(採択決定含む)の成果を得た。論文・解説記事の成果概要は以下である。(1) 統合失調症患者における音楽リズム処理機能の個人差と脳波ミスマッチ陰性電位の関連性を明らかにした(Takahashi et al., 2023)。(2) 治療抵抗性統合失調症患者及び非治療抵抗性統合失調症患者の音楽リズム知覚・生成機能を明らかにした(Honda et al., 2023)。(3) 非治療抵抗性統合失調症患者における脳波ガンマ帯域の聴性定常反応の特徴を明らかにした(Ogyu et al., 2023)。(4) 音楽の予測符号化おける文化的多様性研究の重要性について論じた(Savage & Fujii, 2022) (5) テンソル分解の手法を用いて熟練ドラミング動作の個人差と共通性を明らかにした(Takiyama, Hirashima, Fujii, 2022)。(6) プロ及びアマチュアパーカッション奏者のタッピングパフォーマンスを明らかにした(Honda & Fujii, 2022)。(7) 生後3ヶ月乳児に聴覚運動連関フィードバックした際の四肢運動変化および心拍変化を明らかにした (Shinya et al., 2022)。(8)マイクロタイミングに着目し、グルーヴ研究の展望を論じた(惠谷ら, 2023)。他、音楽リズムと身体運動の共鳴をテーマとし総説・解説記事を発表した(藤井, 2022他)。さらに、音楽経験と認知機能、前頭前野背外側部TMS-EEG反応の関連性について明らかにした成果等について、北米/国際音楽知覚認知学会(ICMPC/SMPC)にて発表/採択決定の成果を得た(Etani et al., 2023他)。
|