妊娠期の生活環境は、子の将来の健康や疾患リスクに影響すること(DOHaD)が知られてきている。DOHaDを誘導する環境要因の1 つとして食生活で影響される母親の腸内細菌叢の関与が注目されているが、その発生機序は不明である。本研究により、母親の高脂肪食摂取によるα-defensin低下を介した腸内細菌叢破綻が、胎生期のエピジェネティックな修飾によるPaneth細胞の発達異常を誘導することで子の腸内細菌叢の成熟が妨げられる可能性が示された。これらの結果は、母親の妊娠期において、α-defensinを標的とした子の発症リスク上昇を抑制する新規疾患予防法の確立に貢献する。
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