リボフラビン(Rf)は必須栄養素であるが、長期的な多寡が組織・細胞レベルでどのような影響を及ぼすかはわかっていない。本研究では、Rf代謝物がヒストン脱メチル化酵素LSD1及びLSD2やその他のエピジェネティクス因子と相互作用することにより細胞制御や組織恒常性に関わる可能性を検討した。本課題の期間中に、Rf代謝が組織形成や機能に重要な役割を果たすこと、LSD1が細胞の代謝表現型や環境応答性を制御すること、Rf代謝の場であるミトコンドリアの機能と核エピゲノム制御が密接に関わること、を明らかにした。これらの研究を通して、栄養素代謝とエピゲノム制御の関係やその生理的意義を解明することができた。
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