研究課題/領域番号 |
20H04112
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
熊代 尚記 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20535207)
|
研究分担者 |
和久井 紀貴 東邦大学, 医学部, 講師 (20385933)
弘世 貴久 東邦大学, 医学部, 教授 (40384119)
鴫山 文華 東邦大学, 医学部, 助教 (70808188)
野崎 雄一 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (80468165)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 非アルコール性脂肪肝 / 肝インスリン感受性 / 肝脂肪量 / 除脂肪肝臓体積 |
研究実績の概要 |
2021年度は、以前にベースラインの検査を実施済みで、フォローアップの検査は未実施であった7名に対して検査を実施した。その結果、これまでの総計で36名のベースラインと1年以上後のフォローアップのデータを蓄積することが出来た。 一式の検査内容は、生活習慣、体組成、内臓・皮下脂肪量、1H-MRS法による肝・筋細胞内脂肪量、安定同位体グルコースを用いたクランプ検査による肝・筋・脂肪組織特異的インスリン感受性、肝生検(病理診断と遺伝子発現)、血中バイオマーカー、メタボローム解析による血漿代謝産物測定となっており、これらは研究計画書に記載の通りである。 収集した全データを集計し、第3者機関である総合医科学研究所へ統計解析を依頼した。具体的な解析内容としては、脂肪肝において肝臓のインスリン感受性保持に寄与する因子を回帰分析で網羅的に探索し、更に、肝臓のインスリン感受性の変化量につい上・中・下の三分位に分けて、上と下の2群の患者背景を比較して、脂肪肝において肝インスリン感受性を良好に保持した群の特徴を分析した。現在、解析結果を基に論文作成中である。 また、以前の我々の横断研究の結果から注目された除脂肪肝臓体積と肝インスリン感受性の双方に関連する遺伝子については、有力候補を2つに絞り、ノックアウトマウスを群馬大学の研究室で作成していただいて入手し、F3まで継代して表現型の解析を開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縦断解析に必要なデータの収集はおおむね目標を達成することができた。 データの収集に当たり、全ての検査がおおむね順調に実施された。 全データを集計し、統計解析を実施できた。 横断研究の結果を基に絞り込んだ治療標的遺伝子について、ノックアウトマウスを用いた研究を開始することができた。 以上の理由から、本研究課題はおおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、ヒトの縦断研究の解析結果をまとめて論文報告する。脂肪肝において肝臓のインスリン感受性を保持する因子を同定し、次の介入研究へつなげ、脂肪との共存を介した糖尿病抑制策の実現を目指してゆく。 また、横断研究で注目された除脂肪肝臓体積の肝インスリン感受性保持における意義について、縦断研究の解析結果と照らし合わせて検討しながら、既に開始しているノックアウトマウスの解析も進めて解明してゆく。
|