研究課題/領域番号 |
20H04115
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
桜井 良太 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00749856)
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研究分担者 |
藤本 雅大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10732919)
児玉 謙太郎 東京都立大学, 大学教育センター, 准教授 (20734411)
高橋 正時 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (80401355)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 加齢性難聴 / 歩行機能 / 認知機能 / 転倒 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、加齢に伴う聴覚障害(加齢性難聴)が歩行機能と認知機能の関連に対し、どのような影響を与えるのか、その媒介効果と高齢期の転倒発生への影響・機序を明らかにすることである。本年度は疫学調査として、①加齢性難聴が歩行動作に与える影響の検討と、②加齢性難聴と認知機能低下および転倒の関連に対する歩行機能低下の関与を検討した。研究の結果、①加齢性難聴は歩行速度の低下に関連するとともに、歩行の時間的・空間的ばらつきを高める要因であることが明らかとなった。また、②認知機能低下および転倒に対する加齢性難聴の影響は、歩行速度レベルによって規定されていることが明らかとなり、歩行速度が低下している者ほど加齢性難聴と認知機能低下および転倒の関連が強く現れることが明らかとなった。以上の横断調査の結果は、加齢性難聴が認知機能および転倒に及ぼす影響には、歩行機能レベルが密接に関連している可能性があることを示唆している。この点については対象者への追跡調査を続け、因果関係を検討していく。 また本年度は並行して、東京都健康長寿医療センター耳鼻咽喉科・補聴器外来を受診している高齢者を対象とした補聴器装着に伴う歩行機能と認知機能改善効果の検証に関する研究を開始した。研究参加者の募集を始め、本年度は5名の加齢性難聴高齢者が研究に参加した。参加者に対しては最大12ヶ月の追跡調査を行い、補聴器装着の効果を短期効果と長期効果に分けて検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疫学調査はデータの収集および解析が進んでいる。また、臨床研究は新型コロナウイルス感染症の影響により研究参加者が集まりにくくなっているものの、一定の参加者を組み込むことができている。以上から研究は順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は疫学研究および臨床研究についてさらなるデータの収集を進める。また新たに脳画像データの収集と行動実験を行い、研究計画を遂行していく予定である。
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