研究課題/領域番号 |
20H04120
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
徳山 薫平 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (00207565)
|
研究分担者 |
鈴木 陽子 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 研究員 (00813453)
麻見 直美 筑波大学, 体育系, 准教授 (10300005)
矢島 克彦 城西大学, 薬学部, 助教 (70632264)
下山 寛之 筑波大学, 体育系, 助教 (80760652)
田名辺 陽子 筑波大学, 体育系, 研究員 (90781873)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 睡眠時エネルギー代謝 |
研究実績の概要 |
私たちの多くは、夜間にまとめて長時間の睡眠をとる単相性睡眠という行動様式をとっており、夕食から翌日の朝食までの睡眠時間を含めた半日を絶食で過ごし、残りの半日で1日分のエネルギーを摂取する。昼と夜とでエネルギー代謝の様相が一変するので、これに上手に対処する能力が「代謝の柔軟性」として最近注目を集めている。本研究では、これまでに申請者らが集積した延べ127名の非肥満の健常人のエネルギー代謝データを検討し、その個人差が(代謝的な柔軟性の違い、加齢の影響や男女差)睡眠中に顕在化することを明らかにした。肥満していない健康な人では、食事の摂取に伴う血糖の上昇やその後のインスリン分泌の影響が強く、代謝の柔軟性の個人差が昼間には隠されてしまう可能性が考えられる。このことは、睡眠時に顕在化する代謝の柔軟性が低下が、肥満や糖尿病等のメタボリックシンドロームへ発症の予兆あるいは原因である可能性を示唆するものと考えている。エネルギー代謝測定時に蛋白質の異化を測定するために尿中窒素排泄を測定してきたが、本研究では尿中のメタボローム解析に着手し、エネルギー代謝の柔軟性とアシルカルニチンの尿中排泄が関連することを示唆する実験結果を得た。また、睡眠時エネルギー代謝に影響を及ぼす因子の一つとして、就寝前の照明環境の違いの影響について検討して研究成果を発表した。 エネルギー代謝測定結果とその関連データ(被験者の特性、エネルギー代謝、体温、睡眠脳波など)のデータベース化についてはSQL言語を用いてデータベース化を開始した。このデータベースを更に拡充することを目的として、これまでにエネルギー代謝研究を進めてきた他の研究グループとの打ち合わせを開始してこの可能性の検討を開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍によりエネルギー代謝を測定してデータを蓄積するペースはやや減速したが、幸いにして実験中止といった状況には至らずに研究を継続できている。
|
今後の研究の推進方策 |
他研究機関との連携によりエネルギー代謝のデータベースの拡充に力を注ぐことで、申請者らの研究グループではデータ採取が困難な対象者(子供、有疾患者など)のデータを得るよう努力したい。
|