研究課題
超高齢化社会が進む中で、健康寿命の延伸は喫緊の課題である。特に加齢による筋力低下は活動性を低下させ、様々な疾病リスクを上昇させる。本研究では、加齢性骨格筋減少を抑制する介入点として腸内フローラに注目し、活動性を維持している高齢者の腸内フローラ機能の特徴を捉えるため、メタゲノム解析を行なった。60歳以上の高齢者32名から身体測定データ(骨格筋量:SMI、BMI、握力)を収集した。SMI、BMI、握力はいずれも正の相関があり、SMIと握力の相関が最も高かった(R2=0.7742)。平成29年度の国民健康・栄養調査結果を参考に、SMI値に基づき3群に分類した(男性:High 7.7以上、Middle 7.0-7.6、Low 7.0未満、女性:High 6.5以上、Middle 5.7-6.4、Low 5.7未満)。16Sメタゲノム解析による菌組成分析では、α多様性に有意差を認めなかったが、β多様性に有意差を認めた。High群では、LachnospiraceaおよびRuminococcaceaeの占有率が高く、Low群では、Actinomyceraceae、Coriobacteraceae、Micrococcaceae、SphingomonadaceaおよびStreptococcaceaeの占有率が高った。MAPLEを用いたメタゲノム解析では、High群ではWood–Ljungdahl pathwayおよびSulfate/thiosulfate transport systemの機能アバンダンスが高かった。以上の結果から、骨格筋量維持と特定の腸内フローラ機能の関連性が示唆された。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Frontiers in Cellular and Infection Microbiology
巻: 13 ページ: 1172345
10.3389/fcimb.2023.1172345
Biomedicines
巻: 10 ページ: 2643~2643
10.3390/biomedicines10102643