研究課題/領域番号 |
20H04167
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 博之 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (40508834)
|
研究分担者 |
鵜林 尚靖 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (80372762)
土屋 達弘 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (30283740)
冨沢 哲雄 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60549707)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 自己適応 / 時間制約 / 不確かさ / CPS / 開発環境 |
研究実績の概要 |
本研究では,不確かな実世界(実空間)においても機能を提供し続けなければならないCPS(Cyber-Physical System)の実現手段を追求する.特に,実空間で考慮しなければならない不確かさと時間制約に着目し,システム設計時に厳密に動作環境を定義できない場合においても,時間制約を遵守するために必要に応じて環境に適応し,継続的に機能を提供可能なシステムの統合的な開発手法の確立を目的としている.2020年度は各実施計画に従って以下を実施した. ・サブテーマ1.時間制約と要求の記述を包含した不確かな環境モデリング手法の検討:不確かな環境を記述可能なモデリング手法として,特に確率的モデル検査技術に着目し,同技術を利用した分析技術を検討した.また,ログデータから異常を事前に検知するための予測法を検討し,同研究成果をまとめた論文が,国際ワークショップCASA2021に採録された.また,RNNを抽象化した確率モデルに対するバグ限局技術に関して,研究成果をまとめた論文が,情報処理学会ソフトウェア工学研究会で学生研究賞を受賞するとともに,情報処理学会コンピュータサイエンス領域奨励賞を受賞した. ・サブテーマ2.実空間作用素との連携機構の構築:実空間上のシステムが考慮しなければならない,実空間作用素との連携機構を検討した.特に,作用素である各種デバイスとして,研究分担者が保有する自動ドアを想定し,これをインタフェースとした連携手段を検討した. ・サブテーマ3.時間制約を考慮した自己適応メカニズムと検証機構の構築:時間制約を考慮可能な適応メカニズムとして,適応後の可能な構成(configuration)の候補をXAI(eXplainable AI)技術により効果的に限定し,構成の発見を高速化する手法を検討した.同研究成果をまとめた論文が,国際会議COMPSAC2021に採録され,成果を報告した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により,実機を伴うサブテーマを中心に実施項目を複数年で対応したが,分担して検討可能な作業を前倒しで実施するなどして,当初設定していた目標を達成することができた.提案手法をまとめた論文が学生奨励賞を受賞するなど,当初の目標以上の成果を上げているサブテーマもあることから,総合ではおおむね順調に進展していると考えられる.
|
今後の研究の推進方策 |
コロナも収束に向かっていることから,実証実験の計画を早期に立て,今年度での実証実験実施を目指す.現在までに検討,実装した技術をもとに,実証実験の計画を立てる.
|