ネットワーク障害事例共有知の構築手法の研究では、昨年度実装したネットワーク管理・制御システムの定常運用による知見収集と、一般化による適用範囲の拡張に関して研究開発を進めた。構築システムの評価結果を研究会にて報告することで複数の大学キャンパスに対して展開する調整が進み、次年度以降も継続的に適用検討を進める目処が立つに至った。検討結果に関しては、2024年度の研究会にて報告を予定しており、今年度で科研費による研究補助が終了するが、継続的な適用と汎用化に必要な課題解決を進める予定としている。 ネットワーク運用ログによるネットワーク状態把握手法の研究に関しては、サーバ側におけるデータ収集方法の見直しおよび改修作業を進めた。当初の計画期間内での運用開始に至らなかったが、2024年度にサービス公開と実環境における継続的な計測運用を開始し、クライアント側からの計測ログ収集と連携した障害検出手法の確立を目指すこととした。 変動するネットワーク障害検出の研究では、これまで実施していたクライアント側からのアプティブ計測による手法と、無線フレームキャプチャとパケットキャプチャを実施するパッシブ計測を組み合わせたハイブリッド計測手法をプロトタイプ実装し、大学キャンパスネットワークの無線LANサービスにおいて評価実験を進めた。この評価結果は、2024年度の研究会にて発表予定としており、論文化に向けて継続的な研究を進める予定としている。
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