研究課題/領域番号 |
20H04180
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
重野 寛 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30306881)
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研究分担者 |
屋代 智之 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (60306397)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高度道路交通システム / 交通環境認識 / 協調走行 / 自動車通信 / 混在交通 / 分散輻輳制御 |
研究実績の概要 |
2020年度は、基本的な協調走行のシナリオとシミュレーション環境、協調走行支援のための通信システムのアーキテクチャ、輻輳制御手法、車両レベルでの性能の可視化・分析方法について研究を進めた。 文献調査と学術会議での意見交換を通じて、DSRCやセルラー系の自動車通信技術、交通環境の協調認識技術、協調走行支援等の研究動向を調査、整理した。 協調走行のシナリオを検討し、自動車モビリティ、通信等の基本的なシミュレーション・モデルやパラメータを調査・検討した。その結果をもとに、特に高速道路の単純なランプ合流部をモデル化し、シミュレーション環境を構築した。混在交通における合流時の協調走行や通信による支援方式を提案し、主に交通効率の観点からの有効性を評価した。 協調走行支援のための通信システムのアーキテクチャとして、システム構成やプロトコル構成の検討を進めた。V2Vによる通信アーキテクチャを整理し、既存プロトコルを拡張について検討した。加えて、エッジコンピューティングに基づく情報共有やオフロード処理の仕組みについても検討した。 通信制御で重要となる輻輳制御方式として、ETSI分散輻輳制御機構(DCC)をシミュレーション・プログラムに実装し、都市部を想定した単純な道路モデルにおける基本特性について評価した。DSRCと組み合わせた場合について、車両密度とパケット配送率(PDR)の関係などの基本的な特性を明らかにした。加えて、シミュレーションの結果や実行ログにもとづいて、車両レベルでの性能の可視化・分析ツールの実装も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
混在交通での協調走行を対象としたシミュレーション環境の構築、高速道路におけるランプ合流の通信による支援方式の提案とシミュレーション評価、V2V通信における分散輻輳制御の基本特性の評価、エッジコンピューティングの導入の評価で進展があった。特にシミュレーション環境構築と単純な道路における協調走行支援の評価ができた点は当初の計画以上の進展である。一方、自動車通信の関する検討では、輻輳制御と優先制御の連動については当初の計画から遅れている。この点は次年度のセンシング情報の交換手法の検討でも進める内容であり、特段の問題ではない。全体としては研究計画にしたがって、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果を踏まえ、研究計画に基づいて推進する。
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