研究実績の概要 |
2023年度は、センシング情報交換・統合機構と輻輳制御・優先送信制御連動方式を連携させる統合交通環境認識プロトコルを拡充し、複数種類の情報共有や協調走行が発生するような複雑な状況を想定したシミュレーション評価を行った. MCM(Maneuver Coordination Message)を用いた協調走行の調停における効用ベースの交渉受け入れ判断方式について,本線・合流車線の両方の後続車両への合流動作の影響を考慮するように拡張した.シミュレーション評価を実施し,車両平均速度,合流可能区間の変化への対応の観点から提案手法の有効性を示した. 混在交通環境での走行安全性と通信の輻輳低減のために,CPM (Cooperative Perception Message) のメッセージサイズ削減のための情報選択手法を提案した.通信手段を持たない非CAV車両等の路上の物体についてのセンシング情報を,事故リスクとAoI (Age of Information) を考慮して選択的に情報共有する.基本的な道路モデルとLTE-V2X (PC5) 通信を想定したシミュレーション評価を実施し,センシング情報のAoIの観点から有効性を示した. MCM(Maneuver Coordination Message)の通信量削減に関する検討を進め,昨年度の成果の走行計画軌道の多項式近似を用いたMCM情報圧縮手法について,基本的な交通モデルとともに,都市規模の交通シミュレーション(LuST)の走行軌跡情報を用いたシミュレーション評価を実施した.LTE-V2X (PC5) 通信によるMCM, CPM, CAMの複数種類の情報交換・共有を想定し,既存の情報圧縮手法や送信電力ベースの輻輳制御手法と比較評価した.走行軌跡の誤差,チャネル使用率(CBR),メッセージ種別ごとのAoIなどの観点から提案手法の有効性を示した.
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