研究課題/領域番号 |
20H04182
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
野田 聡人 南山大学, 理工学部, 准教授 (60713386)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 二次元通信 |
研究実績の概要 |
本研究は,シート状の薄い導波路を用いて電磁波を伝送する二次元通信において,特にIoT環境などへの応用を想定し,センサ端末などに対し,小型・低電力性を犠牲にすることなく通信機能を付与できるように,二次元通信の特異な伝送特性のもとで,従来の標準的アーキテクチャからどのように転換するべきかという問いを主題としている.令和2年度の計画は,導波路構造やカプラ構造について,これまでの二次元通信の従来手法にとらわれることなく改めて検討整理することとしていた. 実績として,従来型のマイクロ波近接場方式に加え,接触導通と近距離での非接触通信を混在させる形態の検討,プリント回路基板1枚で実装するマイクロストリップパッチ型カプラを用いたビデオ伝送システムの試作,送信器内に送信電波の発生回路が不要となるbackscatter方式での通信の回路実装と評価などを行い,導波路協調型二次元通信の今後の展開について足掛かりを得た. 特に二次元導波路上でのbackscatter通信の研究は,国内学会で発表した成果に対し2件の表彰を受けるなど高い評価を受けている.Backscatter方式では,送信電波を発生させる発振回路や高周波アンプなど,典型的な無線通信回路で特に電力消費の大きい回路ブロックを送信端末から取り除くことを可能となるため,上述のとおり小型・低電力化を重視する本研究課題において特に有力な手法であると期待できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で説明した通り,本年度計画とした内容を含め,導波路協調型二次元通信の基礎となるいくつかの研究開発項目について着実に進展している.国内学会での発表は高く評価され表彰を受けている.その一方で,COVID-19の世界的な流行により,年間を通して各種学会・国際会議等の開催形態が不透明となったこともあり,特に国際会議投稿を見送ったため成果発表件数が少ない点は大きな反省点である.
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今後の研究の推進方策 |
導波路協調型二次元通信の実装形態の有力な一候補であるbackscatter方式については,引き続きより詳細な評価と実用シナリオを想定したデモシステムの実装等を進めていく.ただし,backscatter通信そのものは,三次元空間中の無線通信でも従来から研究開発・実用化されており,二次元通信特有の優位性を明確化するには至っていない.この点について新たな知見を獲得することを今後の重要課題と設定し,研究を推進する.
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