本研究は,シート状の薄い導波路を用いて電磁波を伝送する二次元通信においては,この導波シートに単なる伝送路以上の機能を組み込む余地がある点に着目した.成果の一例として,通信端末から高周波の発振回路・増幅回路を取り除いた低消費電力(約1mW)の回路で,導波路中に供給されている搬送波(2.4GHz,10dBm)を反射して通信を行うbackscatter通信で3Mb/sの通信速度を達成した.また,導波路への接触導通を介した通信システムの大面積化に向けて,その静電容量の増大によるローパス特性のカットオフ周波数低下という問題に対し,導波路側に負性容量回路を接続することによってこれを改善する手法を見出した.
|