研究課題/領域番号 |
20H04187
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
朝枝 仁 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所, 室長 (00449034)
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研究分担者 |
速水 祐作 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所, 研究員 (00868820)
大岡 睦 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所, 研究員 (20816152)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 情報指向ネットワーク / コンテンツ指向ネットワーク / ネットワーク内コンピューティング / Beyond 5G / Cefore |
研究実績の概要 |
広帯域化・低遅延化・高信頼性能を従来の通信技術よりも格段に向上する「情報指向ネットワークコンピューティングによるネットワークサービスプラットフォーム(ICNC:Network Service Platform Cooperating with Information-Centric Network Computing)」の研究を令和2年度より開始した。ICNCでは、アプリケーションやデータが持つ属性・特性に応じてネットワーク内でデータを処理し、迅速かつ正確な情報提供を実現し、急激な通信量や端末数の増加や、超広帯域・超低遅延通信などを満たす。 研究2年目である令和3年度は、初年度に行ったICNCネーミングスキーマなどの設計をベースとした研究に加え、経路制御プロトコルの設計を行った。また前年度から継続実施したネットワーク内機能概念シミュレーションを進め、これを発展させ、オープンソースのns3をベースとしたネットワークシミュレーターを用い、大量のエンドノードを模倣可能なICNCネットワークシミュレーターを開発した。またネットワーク内コンピューティングの概念実装として、オープンソースであるCeforeを拡張してICNCのプロトタイプ実装の開発を開始した。これは次年度以降にも継続実施する。 論文発表としては、コンテンツ配信を高信頼で行うための技術として、初年度に設計したネーミングスキーマを用いてネットワーク内符号化を用いた通信手法を提案し、電子情報通信学会ソサイエティ大会にて発表した。 また未来指向の研究として、本研究で得られるネットワークアーキテクチャを量子鍵配送ネットワークに適用する方式を検討し、シミュレーションにより評価を行い、IEEE Globecom 2021に投稿し採録され、その論文発表を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に遅延したネットワーク内機能概念シミュレーションを進め、本格的なネットワークシミュレーターの開発に発展させた。また、経路制御設計などを計画通り進め、国内研究会での発表、更には、未来指向の研究として、本研究で得られるネットワークアーキテクチャを量子鍵配送ネットワークに適用する方式を検討し、IEEE Globecom 2021に投稿し採録され、その論文発表を行なった。よって順調に研究が進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2年目までの研究成果を基に、今後はICNCの概念を用いた応用研究を行っていく。具体的には、高品質ストリーミングを実現するためのネットワーク内コンピューティング技術を設計し、現在開発しているICNCネットワークシミュレーターを用いた評価を行い、フラッグシップカンファレンスなどへの論文発表を行う。また新しい技術への応用・適用として、ブロックチェーンに代表される分散台帳技術とICNCを連携し、より高信頼な情報取得を行うための通信基盤を研究開発する。 ICNC技術の普及を目指し、今年度に開始した、オープンソースであるCeforeを拡張して実現するネットワーク内コンピューティングのプロトタイプ実装の開発を継続する。更に、ICNCで用いられる技術仕様の一部を国際標準化するための検討を行う。
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