現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高度偽装物検出のためには,1) センサ構造最適化の研究と,2)判定アルゴリズムの高度化という両面の成果が必要である.センサ構造最適化の研究では,多重同軸生体検知センサのリング数を増加する構造の提案をおこない判定精度改善の実験的評価を完了した.また,高度偽装物検出のためには,センサ共振周波数の選定が重要な要素となるため,高周波帯域での電磁シグナチャ変化をより高感度で検出する構造の探索を進めた.具体的には,高度偽装物に対する検出精度向上のためCSRR構造の小型化を図ったセンサ構造を検討し,その基本特性を明らかにした.さらに,多重同軸型生体検知センサの小型化の検討では,地板寸法を従来センサよりも50%削減した構造について電磁応答特性と検知精度への影響評価を完了した.小型化した構造のセンサを試作し,二次元判別平面で比較を行い小型化前と同等の検知精度が得られることを確認した. 判定アルゴリズムの高度化に関わる研究では,電磁応答シグナチャによる生体検知の検知精度の時間的安定性評価の研究を進めた. 2020年度の研究では,5週間にわたる本人指測定データを用いて, テンプレートを本人指テンプレートとした場合の2次元平面法による生体検知精度評価を行った. その結果, 2つの判別指標に大きな差は確認できず, 厚さ0.3 mm 程度の偽装物に対する検知精度への影響の評価を完了した.また,2021年度のより長期の評価を実施するための基礎データを取得した.さらに,機械学習アルゴリズムの中でOne Class SVMを用いた偽装物検知方法の基本プログラム実装と動作確認を進め,2021年度の本格的な特性評価の準備を完了した.
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