研究課題/領域番号 |
20H04190
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
照屋 唯紀 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20636972)
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研究分担者 |
松田 源立 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (40433700)
池上 努 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80245612)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 格子暗号 / 格子基底簡約 / 格子点列挙 / 格子ふるい |
研究実績の概要 |
180次元のSVPの求解に成功したG6Kの新しい実装について調査を行い、いくつかの知見を得た。この新しい実装はGPUを活用しており、作者らはGPU向けの近似距離計算や距離情報をある程度保存するハッシュ関数による効率化を行ったと主張している。なお、調査した限りでは、射影格子ふるい(SubSieve)の発展的拡張およびそのGPU実装と位置付けることができ、おおまかな構成は格子ふるいとBabai-liftおよび格子基底簡約の組み合わせであり、このアプローチは従来と同じであると考えられる。 ABCI上で、SVP Challengeの140次元から150次元のインスタンスに対して実行したところ、オリジナルのG6Kよりも約10倍の速度で解いたことを確認した。また、この調査結果を、組織委員の一人として参加した九州大IMI共同利用・共同研究プロジェクト内で、本研究課題と類似および関連する分野を研究テーマとする研究者と共有し、議論を行った。G6Kおよびその周辺の調査はまだ完了していないため、今後も調査を継続しつつ、新しいアルゴリズムの開発を試みる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
G6KのGPU実装の調査および追試作業に時間がかかっていること、調査により得られた知見を用いた新しいアルゴリズムの構築に至っておらず、具体的な研究論文などの成果として発表できていないことから、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
G6Kの調査には時間がかかることが予想されるが、現状において最高性能を示している高次元格子問題ソルバの一つであり、調査を行う価値があると考えられるため引き続き調査を行う。並行して、新しいアルゴリズムの構築やG6Kの改良についても検討を行い、より効率的な格子基底簡約アルゴリズムの開発を試みる。
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