研究課題/領域番号 |
20H04212
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岩村 雅一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80361129)
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研究分担者 |
南谷 和範 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (90551474)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 視覚障害者 / 認識結果 / 要約 / 取捨選択 / 写真撮影 / 物体検出 |
研究実績の概要 |
本研究では、視覚障害者が認識技術を用いて周囲の情報を取得する際に「能動的な行動」を伴う写真撮影が暗黙のうちに求められていることに注目した。一般に被写体にカメラを向けるなどの能動的な行動は視覚障害者には難しいため、能動的な写真撮影を必要としない「受動的な情報取得」という新しい情報取得の枠組みを提案している。本年度は主に2つの事柄を実施した。 1つは、利用者に周囲の可視情報を提示する際にどのように情報を取捨選択・要約すべきかという点において、あらかじめ利用者に伝えるべき情報をリストアップしておくような単純な方法ではなく、情報推薦技術を用いる方法である。あらかじめリストアップしておく方法は、利用者自身で自らが欲しい情報を理解している場合にしか使えない。環境中には、利用者が予期しない様々な情報が存在するので、この方法には自ずと限界がある。そこで、あらかじめ利用者に欲しい情報を挙げてもらうものの、そこに含まれない情報であっても利用者が欲しそうな情報を提供するという仕組みの導入を考えた。このような仕組みはeコマースでよく用いられており、これを実環境において実現する方策を考案した。 もう1つは、我々がかねてから提案していた、全方位カメラと物体検出技術を用いることで視覚障害者が容易に写真撮影できるシステムの追加実験である。この研究は当初電気通信普及財団の支援を受けて進めていたが、それが終了し、この研究で目指すものと一致することからこの研究の一環として進めることとした。実験には24名の視覚障害者の方に参加していただき、従来手法と提案手法を主観的・客観的に比較して、どのような撮影対象であればどちらの手法を使いたいかという参加者の好みと参加者の属性の関係を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
情報推薦技術を利用して視覚障害者が実環境で環境情報を取得する枠組みを考案しており、翌年度には実装と実験が可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度考案した枠組みを実装して、実験を進める。
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