研究課題/領域番号 |
20H04224
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
広田 光一 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (80273332)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 触力覚提示 / 触認識 / ハプティックス / バーチャルリアリティ / ヒューマンインタフェース |
研究実績の概要 |
①-a 実物体による評価の予備実験:表面にビーズを付けた手袋と発泡ウレタンで製作した物体を用いた触認識の実験を行った。この結果、ビーズの密度(離散化の解像度)が高いほど、また、ウレタンの硬度(物体の反力)が高いほど、認識率が向上することが示された。 ②-a デバイスによる評価の予備実験:既存のデバイスを用いて形状の触認識の特性に関する調査を行った。実験ではおよそ1.4mmピッチで128点に刺激を提示するデバイスを用いて、示指指先による2次元的なパターンの認識を評価した。英文字(A~Jの10種類)の全ての組み合わせの弁別について、全128点を使用した条件(full)と、中心部の66点を使用した条件(half)とで、弁別率を調べた。その結果、平均の認識率がfullでは93%、halfでは87%であった。このことは、パターンの認識に密度だけでなく刺激が同時的に提示される領域の広さがパフォーマンスに影響することが示された。また、パターン(文字の形状)の類似性によって混同しやすい組み合わせがあることが示された。 ②-b デバイスの設計および試作:次年度以降の実験で使用するデバイスの設計と試作を行った。刺激点数を128点から384点に拡張するために、追加の256チャネルの制御装置を製作した。また、これらを一体として制御するためのプログラム的基盤を構築した。デバイスについては、実験的な実装を試みている。削り加工(CNC)による方法と積層(3Dプリンタ)による方法とを検討している。指先のための高密度なデバイスと、手の姿勢を一定として指および掌に刺激を提示するデバイスの試作を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デバイスの試作については、予定より少し遅れているが、実装の手法についてある程度のめどが立っており、今後の計画への影響は小さいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、当初の計画に沿って進める。実物体による評価については、これまでの検討で予定していた以上の知見が得られたことから、次年度の実験を必要としない可能性がある。
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