研究課題/領域番号 |
20H04235
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
木村 朝子 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20324832)
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研究分担者 |
松室 美紀 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (90822859)
大槻 麻衣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (30609095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 触覚デバイス / 人工現実感 / 複合現実感 / 先端伸縮型 / 接触感 |
研究実績の概要 |
本研究では,ユーザの動作範囲をできるだけ制限せずに仮想物体への接触感を提示するために,実世界に存在する机や壁などの実物体を活用するデバイスExtickTouchの研究・開発を行った.ExtickTouchは,実物体との間に生じる反力をVR/MR空間における仮想物体との接触感として援用する.仮想空間でデバイスと仮想物体が接触すると,実世界でも実物体とデバイスが接触するようにデバイス先端部を伸縮させ,実物体とデバイスとの接触感を仮想物体とのそれとして提示する. 今年度は,基本となる先端伸縮型デバイスを実装し,ExtickTouch を利用することで仮想物体との接触感を提示できるのかを確認する実験を行った.実験では,ExtickTouchを利用して仮想物体(平面,三角柱,四角錘,半球)にふれるタスクを行い,この際,(1) ExtickTouchを使って映像を見ながら触れる,(2) ExtickTouchを使って映像を見ないで触れる,(3) ExtickTouch の伸縮を行わず,デバイス先端が仮想物体にふれると振動のみ提示する,(4) 映像を見ながら仮想物体に触れるが,触覚提示は行わないという 4 種類の手法を比較した.その結果,ExtickTouchを使うことで仮想物体との接触感を提示できていること,またその接触感が同形状の実物体に触れた場合と類似していることを確認した. また,ExtickTouchで仮想物体にふれる際に,仮想物体の変形を行うと同時に,デバイス先端の伸縮スピードを変えることによって,様々な柔かさを表現できるように基本デバイスを拡張した.映像とExtickTouchによる触感提示を併用することで,仮想物体の柔らかさの提示が可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウィルスの影響でデモ展示などを十分には行えなかったが,基本となる先端伸縮型デバイスExtickTouchの実装・評価と,ExtickTouchによる仮想物体の柔らかさ表現は当初予定通り実現することができた.
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今後の研究の推進方策 |
ExtickTouchによる仮想物体の柔らかさ表現に関して,どの程度表現できているのかを実験を通して明らかにすることと,実物体のテクスチャを,仮想物体のテクスチャとして援用するシステムの実現を目指す.
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