研究実績の概要 |
本年度は, 選択的推論の研究を引き続き実施した. 具体的には,Knockoff filterに基づいた選択的推論の研究に前年度に引き続き取り組み, Distance Covariance Lasso (DC-Lasso)法を提案しその選択的推論方法を提案しその理論的性質を示した. 本研究は我々のチームが進めている情報理論に基づいた選択的推論法の新しい方法であり, 今後より研究が進むことで実用的に有効な方法ができる可能性がある. さらに, これまでのHSIC Lassoの研究成果をまとめた論文を日本統計学会誌にて報告し, 国内の統計分野にも提案法の普及を実施した.
さらに, ChatGPTが発表されたのち大規模言語モデル(LLM)が非常に活発に研究されているが, その中で人間が書いた文章とLLMが書いた文章を識別する技術が重要となってきている. そのような背景のもとICML 2023では統計的仮説検定を用いた電子透かしを埋め込む方法が提案され, 本研究プロジェクトの応用テーマとして検討を実施した. その結果, ICML2023の方法は透かしの検出力を高めるために, 文書生成クオリティを下げてしまう問題が見つかり, その問題を解決する方法Necessary and Sufficient Watermark法を提案し, 生成文書の劣化をせずに効率よく生成された文書に透かしを埋め込む方法を開発した. 本研究成果は現在国際会議に投稿中である.
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