研究課題
機械学習の適用可能性を広げることを目的として、グラフ構造データを対象とした深層学習法の高性能化を目指し、従来のモデルよりも表現力の高いモデルと、その効果的な学習法の開発を行った。まず、近年その著しい性能向上によって研究が進んでいるグラフニューラルネットワーク(GNN)において、各頂点に対してランダムに生成された特徴量を付与するだけで、通常のGNNでは認識できない構造を認識できることが理論的に保証される手法を開発した。また、グラフ構造を対象とした機械学習問題の代表例のひとつであるリンク予測とよばれるグラフ構造を予測する問題において、明示的な共通部分のない複数のグラフへの拡張を、通常のグラフ埋め込み手法と最適輸送による正則化を組み合わせることで実現した。一方、意思決定により直接的に寄与する因果効果、とりわけ個別のデータに対する因果効果の推定手法を、現実世界のより複雑な意思決定問題に対応できるようにするための研究を行った。具体的には、複数種類の介入が組合せ的に選択できるため、候補となる介入の種類が膨大になってしまう状況において、比較的よい介入を特定すればよいという評価指標や、介入の組み合わせを扱う表現学習手法を用いて、この問題を解決した。
2: おおむね順調に進展している
グラフ構造に対する深層学習と、介入の数が極めて多い状況においける介入効果推定の研究において大きな進展があった。
ひきつづき複雑な構造や選択肢をもつ機械学習問題おける要素技術を整備する。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件)
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