研究実績の概要 |
今年度には,提案した手法をさまざまな実際的応用に適用した. ロボティクスついては複数ロボットの協調作業などを中心に引き続き検証を行った. またX線データによる危険物検出や医療用画像の解析を試みた.例えば,危険物検出はセキュリティ上の理由や検出機器の違いに起因して学習データが大量には入手できず,従来の画像処理技術を超えたチャレンジングな工学的最適化問題である.加えて,医療応用ではX線動画からFBP法による再構築をした.深層学習を用いて実際のCT画像に近づけるという手法により,X線動画からCT画像を再構成するという手法を提案した.医師の評価を踏まえ,X線動画からCT画像を生成する手法として有用であり得ることが確認された.具体的には,東京大学付属病院の医師にも定量的な評価をしていただいた .一例として,「肺の大気中への露出が無くなっている一方で ,慢性機動感染があり,昔から感染があるような肺に見え,また肋骨や肩甲骨については段差があって骨折しているように見える」のように評価され,提案手法の有効性が実証てきに検証された. さらに,生成AIに応用するために,拡散モデルと対話型進化計算を併用した画像生成支援システムを提案した.生成される画像の遺伝子を対話的に進化させていくことにより,ユーザが対話的かつ直感的に生成過程を制御することができることを検証した.また,拡散モデルと対話型進化計算の組み合わせにより,画像空間を効率的に探索し,高品質な画像を生成することができた. これらの研究成果によって,モチーフ構造の機能創発に基づく頑強性,汎用性,効率性について実証的に検証された.
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