研究課題
本研究では、瞳孔径を中心とした眼球運動計測データから認知状態を推定する。具体的には、主観的時間知覚、情報が欠落したあいまいな視覚情報に対する処理能力・理解度などの認知状態推定を行う。本研究では、視野における主観的な明るさの知覚が低次および高次認知によって異なると報告されている一方で、視野ではなく世界中心座標における主観的な明るさの知覚に関する情報が不足していることに着目した。そこで、本研究では、仮想現実環境において世界中心座標を操作し、5つの異なる位置での刺激に対する瞳孔反応を通じて、世界中心座標における主観的な明るさの知覚の異方性を調査することを目的とした。具体的には、頭の動きを必要とする能動的なシーンと、頭の動きを伴わない受動的なシーンを通じて、世界中心座標における5つの異なる位置において生態学的な利点が存在するかどうかを明らかにすることを目指した。実験の結果、眩しさやハロ刺激に対する瞳孔反応は、世界中心座標における5つの位置間で明るさの知覚が異なることを示した。さらに、最上位の位置における刺激に対する瞳孔反応は、生態学的な要因(明るい空や太陽の存在など)によって影響を受ける可能性があることが判明した。これにより、世界中心座標における主観的な明るさの知覚に対する眼外情報の影響についての理解が深まったといえる。特に、瞳孔反応が頭の動きに依存しないことを示した点で、本研究は重要な貢献を果たした。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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