研究課題/領域番号 |
20H04278
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中川 恵一 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (80188896)
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研究分担者 |
名和 要武 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00456914)
鍛冶 静雄 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (00509656)
野沢 勇樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00836918)
仲本 宗泰 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10808877)
太田 岳史 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20727408)
尾崎 翔 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (60615326)
山下 英臣 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70447407)
今江 禄一 東京大学, 医学部附属病院, 副診療放射線技師長 (80420222)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 放射線治療 / 深層学習 / 画像生成 / 画像解析 / 臨床適用 |
研究実績の概要 |
現代の医療において医用画像は不可欠であり,放射線治療においても治療前や治療期間内,治療後の多くの場面で用いられている.近年の情報処理技術の発展に伴い,医用画像に対して深層学習を用いた画像生成や解析(以下,深層画像処理)が適用され始めている.本研究では,放射線治療に用いられる医用画像に対して深層画像処理を施した上で,生成画像や解析結果を放射線治療の様々な状況において安全かつ有効に利用する方法を確立することを目的とした.当該年度は以下のことを実施した. (1) 深層学習用サーバーの環境セットアップを行った.このサーバーは高性能GPUを4枚搭載しており,複数の深層学習を同時に計算可能な環境を整えた. (2) 深層学習を用いた医用画像の変換・ノイズ除去・病変セグメンテーションについてまとめたレヴュー論文が2021年度 Radiological Physics and TechnologyのMost Citation Award に選出された. (3) 治療期間内に得られるメガボルトCT(megavoltage CT: MVCT)から画質が良好なキロボルトCT(kilovoltage CT: kVCT)の画像変換において,数百枚程度の従来よりも少ないデータ数で画像変換が可能である手法を提案,かつ,臨床的有用性を示した.得られた知見について論文投稿を行い,採択された. (4) 治療期間内に得られるコーンビームCT(cone-beam CT: CBCT)画像から抽出した定量的特徴量を用いて放射線治療後の予後予測モデルを構築した. (5) 深層画像処理を用いたセグメンテーションの開発を行った.対象は骨盤部とし,2次元から2.5次元,3次元へと拡張することに取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度では,本研究を円滑に遂行するための環境整備や,研究成果の学会発表および論文投稿を行った.投稿論文については,英文誌に採択された.また,レヴュー論文がMost Citation Awardに選出されるなど,当該研究の取り組みは他の研究に貢献することが明確となった. 本研究の対象は多岐に渡ることから,今後研究の遂行には新たな課題が予想される.これら課題に対し,研究代表者は研究分担者と協力して適宜対応する.
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今後の研究の推進方策 |
1. 深層学習を援用するCT再構成手法の開発 2. CBCT画像から抽出した画像特徴量と予後を予測するモデルに対し,テストデータを用いた評価を行う 3. 深層画像処理を用いたセグメンテーションに対する枚数や多様性,生成画像の依存性の評価 4. 深層画像処理の適応範囲の拡大
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