研究課題/領域番号 |
20H04280
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大上 雅史 東京工業大学, 情報理工学院, 助教 (50743209)
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研究分担者 |
山本 一樹 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (90758301)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ケモインフォマティクス / タンパク質間相互作用 / 医薬品設計 / 機械学習 / 高性能計算 |
研究実績の概要 |
タンパク質間相互作用 (PPI) を対象としたIT創薬手法の確立は、これまでに治療が叶わなかった疾病の根治や、創薬産業の加速に必須である。PPIを狙う創薬では、①未知のPPIの可能性が網羅的に調べられていないこと、②PPIを標的とする医薬品の計算設計技術がほとんど無いこと、の2点が大きな課題であった。今年度は、未知のPPIを標的とした薬剤分子の設計を可能にする計算技術の研究開発を目的とし、当初の計画に沿ってPPI予測技術の高度化ならびにPPI標的薬の設計指標として適切な指標の構築を行った。 PPI予測技術の高度化では、既存のMEGADOCKの並列化方式の改良や「富岳」スパコンを使った大規模計算のための実装評価を実施した。PPI標的薬剤の設計指標の構築では、昨年度に既存の薬剤様指標であるQEDの数理モデルを参考にPPI阻害剤様指標QEPPIを開発したがこのQEPPIに関する研究論文をInt J Mol Sci誌で今年度発表した。また、深層強化学習に基づく分子生成モデルであるREINVENTをベースとして、分子生成モデルへQEPPIを組み込み、PPI標的向けバーチャル化合物によるバーチャルライブラリー構築を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文発表なども進んでおり、おおむね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
AlphaFold2の登場により構造予測技術との組合せを検討することが必須になりつつある。QEPPIを軸とし、AlphaFold2によって予測が可能なペプチド分子による分子設計なども考慮に入れることを検討する。また、アッセイ実験の実施を進める。
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