研究成果の概要 |
毎年7万人以上の市民が日常生活で心停止の危機に襲われている.死亡の危機を回避するためには,心停止の迅速な対応が必要であり,心肺蘇生法(以下CPR)が最も有用な手段として知られている.しかし,市民が心停止者に対して実施するCPRにおいて,正確な姿勢のCPR実技教育が確立していない.この問題へのアプローチとして,本研究ではAzure Kinect DKセンサーカメラを用いて,訓練者の正面と側面の2方向からCPR動作時の上肢・下肢の姿勢を可視化する訓練システムを開発した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2019年に消防機関が搬送した日本国内の院外心停止傷病者数は126,271人である .危機を目撃した時,「救命の連鎖」の開始点は,第一に心停止の早期認識と通報する市民の意思決定と行動であり,心肺蘇生法(CPR)の姿勢については, JRC蘇生ガイドライン2020をはじめとするガイドラインで定められている.しかし,訓練時にリアルタイムで客観的な姿勢評価をすることは,指導資格を有した者でも困難であった.この課題解決へのアプローチとして,マイクロソフト社のデバイスのAzure Kinect DKを用いて訓練者の正面と側面の2方向からCPRの上肢・下肢の姿勢を捉え,評価が可能なシステムを開発した.
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