研究課題/領域番号 |
20H04296
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
桐山 伸也 静岡大学, 情報学部, 教授 (20345804)
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研究分担者 |
小林 美亜 静岡大学, 創造科学技術大学院, 特任教授 (00327660)
石川 翔吾 静岡大学, 情報学部, 助教 (00626608)
小川 敬之 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (50331153)
飯山 将晃 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (70362415)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ケアスキル / マルチモーダルインタラクション / 状況理解 / 学習環境デザイン |
研究実績の概要 |
認知症ケアを可視化する知識構造を継続的に発展させ、状態や周辺環境の異なる認知症当事者の特性を捉えケアの高度化に活用するための知識構造設計の基盤となる、マルチモーダル行動センシング基盤の構築を行った。 先行研究で構築された重度の認知症の人をケアする状況がターゲットの知識構造をベースに、介護者の介入行動の特徴を捉える知識表現モデルを発展させ、認知症当事者の状態を表現できるよう拡張した。映像事例に対して設計した知識構造に基づく解釈を付与したコンテンツを専門家にレビューさせ、知識構造の妥当性を検証した。さらに介護者と被介護者のインタラクションを表現できる構造へと拡張し、映像事例に対して付与された専門家の解釈を計算機モデルとして表現できることを確認した。 このモデルの適用範囲を拡張するため、軽度の認知症の人が入所する介護施設での映像事例を用いて知識構造の検証を行い、会話を中心とした従来よりも多様なインタラクションを含む映像事例を題材に、作業療法士の介入知識を提案知識モデルでコンテンツ化し、現場の介護スタッフに視聴させ、日常のケアの振り返りに有用であることを示した。提案したインタラクション表現モデルは、多様な現場での認知症ケアの持続的な向上に役立つことが見込まれる。 次年度以降は、ケアインタラクション場面における状況表現モデルを拡張し、個々の場面の特徴を的確に捉えられえる仕組みを導入して、ケアスキル向上に役立つ特徴を内包する場面状況のデータ化を加速させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナの影響でスケジュール変更を余儀なくされたが、新しい研究協力施設を発掘し、データ収集とケアインタラクション分析、及び学習コンテンツの構築と現場へのフィードバックまで実践し、当初目標のプロトタイピングとコンテンツの有用性評価を達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、対象を口腔ケアに限定せず、生活支援ケア全般に拡げてケアインタラクションのデータ化と分析を進める。ケア場面においてケアを受ける本人の心身の状態と被ケア者を取り巻く環境の状況をマルチモーダルにセンシングできるデータ収集プラットフォームを中心に介入インタラクション分析システムの構築を進める。
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