研究分担者 |
中川 正樹 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任教授 (10126295)
峯 恒憲 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30243851)
須鎗 弘樹 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (70246685)
宮澤 芳光 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (70726166)
|
研究実績の概要 |
本科研はセンター試験など大学入試レベルの短答式記述試験の自動採点および人間による採点を支援する実用可能なシステムを試作・実装することを目的とする。採点は設問ごとに作題者が用意した「模範解答」と「採点基準」に従いシステムがある程度(90%以上程度)の精度をもった採点計算(自動採点)を行うことを目標とする。 本科研では手書き文字解答から自動採点までを一気通貫で行い、人手を一切用いない方法での性能を評価した。つまり機械にタグ付けのルールを教え込むといった理解の補助輪を一切用いずに、実運用で平均96%、最低でも93%の一致率を確保した。また各問6万件という膨大なデータにより、深層学習に必要な標本サイズにおいても新たな知見を得た。言語モデルには当時の世界最先端であるBERT を用いた。その成果については多くの学会賞(日本計算機統計学会第35回大会, 学生研究発表賞;Duolingo Award for IMPS 2021;SMASH22 Winter Symposium,準優秀賞;言語処理学会第28回年次大会, 若手奨励賞)を受け、また教育工学のトップカンファレンスであるAIED等の国際会議で採択された。日経新聞教育面には2,000字の寄稿が掲載された。 本科研は当初の目的を概ね達成し、今年度(令和5年度)に新規に採択された科研費研究(基盤B)において、その発展的内容を継続して実施している。
|