研究課題/領域番号 |
20H04304
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
南 尚嗣 北見工業大学, 工学部, 教授 (40241426)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メタンハイドレート / バイカル湖 / 環境変動 / メタンハイドレートの分解 / 温室効果ガスの放出 |
研究成果の概要 |
バイカル湖中央湖盆東岸沖の水域および比較水域において、調査研究を実施した。 湖底表層の形状を明らかにするための物理探査を実施し、詳細な湖底3次元マップの作成に成功した。楕円形状の湖底の高まりにおいて調査船の重力コアラーを用いて湖底表層堆積物コア採取を行った結果、メタンハイドレート(MH)存在域を発見した。 高まりとその周囲では、水温と水深から算出されるMH安定領域からわずかに外れた条件下にMH存在が確認された。この事実とバイカル湖の水位が変化している事実は、湖底表層MHが環境変動によって分解中の可能性を示唆しており、本研究において本格的な総合調査研究を行った。
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自由記述の分野 |
分析化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界で唯一MHの存在が確認されている淡水湖であるバイカル湖において、環境変動によるMH分解と温室効果ガスの放出に関する機構解明を目的に、日本-ロシア-ベルギーの国際共同研究を実施した。 水温と水深から算出されるMH安定領域からわずかに外れた条件下にMH存在が確認された事実は、MH生成後の環境変動を示唆する。湖面水位が現在より1 mほど高ければ計算上MHは安定であり、その当時に生成したMHが水位低下で分解しつつあるとの解釈が可能である。温暖化など地球規模の環境変動が指摘される中、天然MHの存在環境の変化と生成および分解機構の理解は学術的・社会的に重要である。
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