マンガンは地球表層に大量に存在する金属で、広大な海洋の90%以上を占める外洋域の暗黒の深海では、希少金属を濃集した真っ黒な酸化物となって海底を埋め尽くす。水圏-地圏の境界域に多産し、環境中の金属元素動態を理解する上で重要な元素の一つだが、深海におけるマンガン鉱物の生成メカニズムや大量に存在する仕組みは謎だった。本研究は、外洋の深海地層に大量に存在する事が発見された“深海のマンガン酸化物の種”とおぼしきマンガン酸化物の微粒子「微小マンガン粒」の超精密分析する技術基盤を確立するとともに、様々な環境試料で微小マンガン粒の存在を見出し、地質時代を通した微小マンガン粒の普遍性を見出す基礎を確立した。
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