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2021 年度 実績報告書

永久凍土融解に伴うGHGsガス放出動態の定量化と生物地球化学メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H04314
研究機関県立広島大学

研究代表者

米村 正一郎  県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (20354128)

研究分担者 内田 昌男  国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 主幹研究員 (50344289)
小野 圭介  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (20549555)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード凍土 / 二酸化炭素 / メタン / 土壌有機炭素
研究実績の概要

・ガス交換量測定システムの整備:ガス交換量測定システムでは,永久凍土サンプルを入手次第,効率的に実験が行えるように方法論の検討を行った,特に,温度制御時の時間を短縮するための,インキュベータ温度処理方法を検討した。プラス温度についてだが,15℃から5℃で温度を下げる制御た場合は,より低い温度1℃で10分間制御することにより,2時間程度の制御時間を節約できる方法論を構築した。

・試料確保に向けた取り組み実績:昨年度よりコロナ禍の影響により遅延していた研究試料(永久凍土)の確保に向けアラスカ大学研究者と調整を行い、来年度の調達に向けた準備を整えることができた。使用する凍土土壌は、アラスカ中央部から北極海沿岸までのタイガ、ツンドラ地域において採取された試料である。

・凍土内有機炭素の分解特性のメカにズムに関する実験:凍土の融解に伴う有機物の分解量の時間変化のモニタリングとそのメカにズム解明と並行して、土壌内有機物が果たす役割とその変動に寄与する有機炭素の存在形態の実態を解明するため、有機炭素並びに凍土内の呼吸CO2の動態を放射性炭素同位体をトレーサーに用いて追跡する実験システムの構築を行った。特に呼吸14CO2の14C同位体計測では、加速器質量分析計(AMS)による極微量計測(マイクログラム炭素量)が求められることから、加えて、AMSによる極微量計測の高度化に関する検討をすすめ、特にイオン源における引き出し電流(14Cマイナスイオン)の向上に向け、様々な微量グラファイト試料について検討を行った。また、これらの結果の一部は、3年に一度開催される国債加速器質量分析会議(AMS-15,オーストラリア)で発表を行い、それらの結果を国際誌に投稿した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

実験システムが(再)構築および土壌有機物分析の方法論が構築されたが,コロナ禍のため,現地サンプルが入手できていないため,実際の実験が行えていない。

今後の研究の推進方策

本年度は,現地出張を行うとともに,永久凍土サンプルを獲得し,凍土の分析およびガス交換量測定を行う。アラスカ大学研究者と調整がすでに行われているため,コロナ禍が深刻になれなければ,必ず可能である。また,輸入禁止品土壌の申請書も本書類作成時点で,作成中である。
永久凍土を入手次第(初秋に入手予定),室内実験を開始する。融解前のガス交換量がどう温度とともに変化するかをまず測定する。そして,凍土を融解し(1℃に凍土温度を制御する),初期のガス放出量を求める。1℃のままガス放出量がどう変化するか調べる。そして,一定期間後(時期は測定結果で判断する),温度を変化させて,どの放出量を変化するか調べる。
凍土の基礎特定(炭素含量,窒素含量等)を調べるとともに,有機炭素並びに凍土内の呼吸CO2の動態を放射性炭素同位体をトレーサーに用いて追跡する。
実験後,最終年度,ガス放出量の特性を体系的な関係式で表現できるようにデータ解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Improvements for ultra-microscale radiocarbon measurements at NIES-TERRA2021

    • 著者名/発表者名
      Uchida M., Mantoku K., Kobayashi T.
    • 学会等名
      The 15th International Conference on Accelerator Mass Spectrometry
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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