研究課題/領域番号 |
20H04329
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
伊藤 彰記 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 主任研究員 (00419144)
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研究分担者 |
宮川 拓真 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 副主任研究員 (30707568)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 人為起源鉄 / 自然起源鉄 / 海洋施肥 |
研究成果の概要 |
全球大気化学輸送モデルを用いた予測結果と長崎県五島列島の一つである福江島における大気観測データおよび様々な海域における観測データを統計的に解析した。その結果、大気汚染の対策不足により製錬過程で二酸化硫黄と一緒に大気中へ放出される人為起源鉄は、南大洋域への溶存鉄供給にとって重要な役割を果たすことを明らかにした。 本研究結果は、鉱物資源開発に伴う大気への化学物質の排出は、健康被害をもたらす一方で、海洋生態系へ栄養塩をもたらすことを示唆しており、今後国際共同研究による海洋環境保全策の検討へ貢献するものとも期待される。また、地球システムモデルの生物地球化学と気候の相互作用における改善を迫る成果である。
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自由記述の分野 |
大気化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究成果は、新たな知見をもたらすものだけではなく、製錬過程由来の溶存鉄は、エアロゾルの形で大気を通して輸送され、南大洋の海域に供給されている可能性を示した。 製錬過程で排出されるエアロゾルは、大気汚染防止の観点からは排出量を抑制することが重要であるが、その結果が漁獲量の低下をもたらし、深刻な食糧不足を助長するとしたら、そうした点も十分に考慮した上で対策を実施することが必要となる。
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