研究課題/領域番号 |
20H04332
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
國枝 武和 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (10463879)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | クマムシ / 放射線耐性 / DNA防護 / 動的相互作用 / ゲノム編集 / DNA修復 |
研究成果の概要 |
本研究課題では、まず高い放射線耐性を示すクマムシに固有なDNA防護タンパク質Dsupについて結合モード(動的性状)の大きく異なる少なくとも2種類の領域を介してクロマチンと結合していることを明らかにし、DNAを安定的に防護しつつアクセシビリティを確保する新たなモデルを提案した。また、クマムシで初めてゲノム編集系を確立し、Dsupの存在下でもCas9によるDNA切断が起こること、またある種の体細胞ではindelを生じない非相同末端修復が優先していることを明らかにした。シングルステップでホモ接合体のノックアウト・ノックイン個体の作出法も確立しin vivoでの機能解析に路を拓いた。
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自由記述の分野 |
極限生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Dsupは放射線や活性酸素種からDNAを守る活性を持つ一方で、生命活動を維持するために必要な細胞マシーナリーのDNAへのアクセスを確保する必要がある。今回明らかになった2種類の性状の大きく異なる結合様式の存在は、生命活動と適合的な人工DNA防御剤を設計するうえで重要な知見を提供する。また、ゲノム編集系を利用してクマムシの一部の体細胞では二本鎖切断を受けたDNAに対して傷跡を残さないDNA修復が優先していることを示し、こうした修復機構も放射線耐性に寄与していることを示唆した。ノックアウト・ノックインクマムシの作出法の確立は様々な耐性メカニズムの解明に貢献することが期待される。
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