研究課題/領域番号 |
20H04347
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
三村 達哉 帝京大学, 医学部, 准教授 (70463867)
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研究分担者 |
溝田 淳 帝京大学, 医学部, 教授 (10239262)
吉田 安宏 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10309958)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アレルギー性結膜炎 / 黄砂 / 大気中粒子 / 花粉 |
研究実績の概要 |
【臨床研究】2020年から2021年にかけて黄砂の飛来するシーズン(3~5 月)に、外来患者を対象として、臨床研究を実施する予定で、本年度は2020年3月の黄砂飛来シーズンに来院した患者をリクルートした。症状アンケートを実施し、洗眼行為により症状が改善するかアンケート調査を行った。また一部は涙液を採取して、来年以降の涙液中の炎症性物質、特異的IgEの測定に用いる予定である。 【基礎研究-1】C57BL/6J マウス眼球にスギ花粉抗原と黄砂由来の黒色微小粒子を点眼し、経時的に結膜組織の病理学的変化や涙液中の好酸球、サイトカイン類、結膜組織中のサイトカインの局在やこれらの遺伝子発現を調べ、黄砂由来の黒色微小粒子の増悪作用を調べる。 本年度は動物眼(マウス)に大気中物質である黄砂、二酸化珪素、黄砂のアジュバントとなるディーゼル因子(炭素性粒子)、硝酸イオン(窒素酸化物)、花粉(スギ、ヒノキ)、微生物(アルテルナリア、カンジダ、ダニ)などの抽出液、エキスを点眼した。コントロールとして生理食塩水を用いた。結膜の効果としては、黄砂やPM2.5を結膜に暴露することにより結膜上皮と角膜上皮のバリアーが障害された。そこに花粉抗原などを滴下することにより、結膜炎將の増強が見られた。このことから、黄砂などの粒子成分は物理的に眼表面のバリアーを傷害し、その後の外界の抗原による暴露による獲得免疫後のアレルギー反応を増悪させる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は臨床研究、基礎研究を並行して行っている。本年度は臨床研究の前半部分を行った。また基礎研究は動物研究2つと、培養細胞を用いた研究をする予定で、本年度は黄砂、PM2.5,花粉によるマウスの暴露実験を行い、結膜炎症への影響ならびに、来年度以降に解析をする結膜サンプルを採取した。おおむね予定通り研究は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は臨床研究の2年目における患者のリクルートを追加で行う。動物研究では環境因子のマウス眼への暴露研究の続きならびに、培養細胞を用いた研究を開始する予定である。
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