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2022 年度 実績報告書

イオン性化学物質の生物濃縮特性の解明と予測手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H04356
研究機関熊本県立大学

研究代表者

小林 淳  熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (00414368)

研究分担者 櫻井 健郎  国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 室長 (90311323)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード生物濃縮 / PFAS / タンパク結合 / ドッキングシミュレーション
研究実績の概要

本年度は魚類の肝S9におけるPFASの代謝に関する研究およびイオン性有機化学物質の生物濃縮の予測手法の開発を行った。6種のPFASを対象に肝S9の代謝実験を行ったが、これらの物質の代謝は認められなかった。既報のPFAS暴露実験において魚類中のPFAS濃度の低下が確認されていることから、PFASの体外への排出は腎臓や呼吸など肝代謝以外の経路の関与が大きいと推察された。過年度に実施した医薬品の代謝実験においても多くの物質については代謝が確認されていないことから、PFASと同様の排出経路をたどる可能性がある。
ヒトのアルブミン、脂肪酸結合タンパクのアミノ酸構造を鋳型として、ホモロジーモデリングによってニジマスの各タンパク質の推定構造を構築した。その後、これらを対象に米国EPAでリストアップされている74種を含む94種のPFAS、文献調査で生物濃縮実験が実施されている24種の医薬品について、ドッキングシミュレーションにより各タンパクとの結合親和性(タンパク結合定数)を推定した。シミュレーションにより得た結合親和性を変数として、各物質の生物濃縮係数(BCF)および取り込み・排泄速度定数との関係を検討した。その結果、PFASのBCFはアルブミン(4E99 Site I、Site II)、脂肪酸結合タンパク(3STM)ともに有意な相関関係が認められた。これらのデータをもとに、PFASのBCFについて機械学習を用いた予測手法を構築した。一方、医薬品のBCFは各タンパクの結合親和性との間に相関関係は認められなかった。各タンパクの結合ポケットがPFASと医薬品で異なることが要因と考えられた。医薬品については、魚類を対象とした生理学的薬物動態モデルを適用し、魚体の各組織中の濃度予測手法を検討した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] パーフルオロアルキル酸代替化合物の魚における生物蓄積モデル動力学パラメーター推定の検討2023

    • 著者名/発表者名
      櫻井健郎、遠藤 智司、小林 淳、鈴木 規之
    • 学会等名
      第2回環境化学物質3学会合同大会(第31回環境化学討論会、第25回環境ホルモン学会研究発表会、第27回日本環境毒性学会研究発表会)
  • [学会発表] イオン性化学物質の生物濃縮係数とタンパク結合定数との関係について2022

    • 著者名/発表者名
      磯本怜佳、櫻井健郎、小林淳
    • 学会等名
      第1回環境化学物質3学会合同大会(第30回環境化学討論会、第24回環境ホルモン学会研究発表会、第26回日本環境毒性学会研究発表会)
  • [学会発表] パーフルオロアルキル酸の水圏食物網における生物蓄積挙動のモデル化2022

    • 著者名/発表者名
      櫻井健郎、小林淳、鈴木規之
    • 学会等名
      第1回環境化学物質3学会合同大会(第30回環境化学討論会、第24回環境ホルモン学会研究発表会、第26回日本環境毒性学会研究発表会)
  • [学会発表] ヒラメにおけるパーフルオロアルキル酸化合物の腸管経由の取り込み動態について2022

    • 著者名/発表者名
      小林淳、磯崎涼介、櫻井健郎、水川薫子
    • 学会等名
      第1回環境化学物質3学会合同大会(第30回環境化学討論会、第24回環境ホルモン学会研究発表会、第26回日本環境毒性学会研究発表会)
  • [学会発表] G-CIEMSを用いた河川水中医薬品濃度の予測精度向上のための検討2022

    • 著者名/発表者名
      梅田和貴、今泉圭隆、黒田啓介、三小田憲史、櫻井健郎、小林淳
    • 学会等名
      第1回環境化学物質3学会合同大会(第30回環境化学討論会、第24回環境ホルモン学会研究発表会、第26回日本環境毒性学会研究発表会)

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公開日: 2023-12-25  

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