水田からのメタン発生の実態とそれに関与する要因を明らかにするために,メタン発生の実態と土壌微生物による影響を調べた。その結果,メタンは田植え後2週目頃から発生し,出穂期に最大となり,その後減少する。出穂期のメタン発生量は地域間に大きな差が見られ,宮城県の水田は秋田,新潟,岡山県の水田より10倍以上大きな発生量を示した。この差はメタン生成・分解に関わる微生物の作用より,むしろ水田の水管理,特に出穂期前の間断灌漑による土壌乾燥の影響が大きかった。水田の窒素固定は,嫌気呼吸に関与する鉄還元や硫酸還元に関与する細菌も貢献したが,メタン分解に関与する細菌の貢献が最も大きかった。
|