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2023 年度 研究成果報告書

無肥料水田で起こる炭素・窒素循環の微生物プロセスの解明とメタン放出抑制

研究課題

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研究課題/領域番号 20H04382
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分64050:循環型社会システム関連
研究機関弘前大学

研究代表者

杉山 修一  弘前大学, 農学生命科学部, 客員研究員 (00154500)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード温室効果ガス排出抑制 / 水田 / メタン生成菌 / 窒素固定菌 / 生物地球化学
研究成果の概要

水田からのメタン発生の実態とそれに関与する要因を明らかにするために,メタン発生の実態と土壌微生物による影響を調べた。その結果,メタンは田植え後2週目頃から発生し,出穂期に最大となり,その後減少する。出穂期のメタン発生量は地域間に大きな差が見られ,宮城県の水田は秋田,新潟,岡山県の水田より10倍以上大きな発生量を示した。この差はメタン生成・分解に関わる微生物の作用より,むしろ水田の水管理,特に出穂期前の間断灌漑による土壌乾燥の影響が大きかった。水田の窒素固定は,嫌気呼吸に関与する鉄還元や硫酸還元に関与する細菌も貢献したが,メタン分解に関与する細菌の貢献が最も大きかった。

自由記述の分野

応用生態学

研究成果の学術的意義や社会的意義

水田から放出されるメタンは,我が国の農林水産セクターの温室効果ガス排出量の37.2%を占め,水田からのメタン放出を抑制する技術の開発は大きな社会的意義を持つ。水田からのメタン発生は,酸素のない嫌気条件下で特定の微生物の働きにより起こる。本研究では,出穂期前の間断灌漑がメタン放出抑制に最も効果があること,メタンをエネルギー源として窒素固定を行う(窒素肥料をつくる)微生物を水田で活性化することで水田のメタン発生を大幅に抑制できる可能性を示した。本研究の結果は,我が国の温暖化対策に大きな意義を持つ。

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公開日: 2025-01-30  

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