研究課題
基盤研究(B)
本研究では,固体の可動部品を持たない熱機関の開発を目指して,液体ピストンエンジンおよび,フライホイールを持つ音波エンジンの開発を行った.液体ピストンエンジンは,固体ピストンの往復動で作動気体を制御する代わりに複数の液柱の連成振動を利用して作動気体を制御し,エネルギー変換サイクルを実行する.その動作メカニズムの解析と設計指針の確立を理論モデルの構築と実験により行った.また,フライホイールをもつ音波エンジンのプロトタイプの開発に成功し,その基本的な動作ダイナミクスの解析と数値解析を行った.
熱音響工学
気柱振動を利用した音波エンジンは,著しく簡単な構造を持つことや特殊な材料・物質が不要で,しかもエネルギー変換に固体ピストンが本質的には不要という特徴を備えた比較的新しい外燃機関である.本研究成果は音波エンジンを液体ピストンを持つ系に拡張し,またその音響パワー出力を軸出力に変換するための基礎であり,音波エンジンを核とする分散型エネルギー源の構築に資する.