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2020 年度 実績報告書

日本型地下水ガバナンスの特徴と動態に関する理論・実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H04392
研究機関九州大学

研究代表者

八木 信一  九州大学, 経済学研究院, 教授 (10334145)

研究分担者 千葉 知世  大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (80751338)
遠藤 崇浩  大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (50414032)
宮崎 淳  創価大学, 法学部, 教授 (30267489)
大野 智彦  金沢大学, 法学系, 准教授 (30531884)
冨吉 満之  久留米大学, 経済学部, 准教授 (20506703)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード地下水ガバナンス / 地下水の持続可能性 / 地下水資源 / 地下水循環 / 地下水の社会的価値 / コモンズ / 災害用井戸 / 流域水循環計画
研究実績の概要

研究計画初年度にあたる本年度は、①本研究課題に関連した研究計画の報告、②研究課題全体に関連した文献輪読、③事例調査にあたっての共通論点の整理、④本研究課題を構成する3つの研究パートの実施、これらを通して研究を進めてきた。このうち①は2020年7月に、②は2020年10月に、そして③は2021年2月に、いずれも全体研究会としてオンラインで開催した。とくに②では地下水ガバナンスに関する主要文献を集中輪読し、③では研究代表者などがまとめた国内関連事例集をもとに議論し、これらを通して日本型地下水ガバナンスの論点抽出を行った。

また、④については新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けて、当初予定していた準備調査等を断念した場合もあったが、文献調査を中心に予定していた研究計画の大半を遂行した。具体的には、「地下水資源」のパートでは地下水採取に関わる水源林保全の法制度や、コモンズをめぐるメンバーシップの開閉に着目した研究を進めた。「地下水循環」のパートでは地下水に関わる政策過程における不確実性の取り扱い、地表水と地下水の混合使用、および流域水循環計画に見られる政府間関係の変化に着目した研究を進めた。最後に「社会的価値と動態」のパートでは地下水の持続可能性(Groundwater Sustainability)の議論をもとに、地下水の社会的価値に関する論点整理と、それらを踏まえた地下水ガバナンスの動態分析への応用可能性を検討した。さらに、防災局面における地下水利用に関わる合意形成や、パンデミック下での食生活の変化と環境保全型農産物の利用促進についても研究を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けて、準備調査等を断念した場合もあったが、文献調査を中心に当初予定していた研究計画の大半を遂行できたため。

今後の研究の推進方策

次年度については関連分野のゲストスピーカーを招き、地下水ガバナンスに関する研究アプローチと、そのなかでの日本型地下水ガバナンスに関する論点を深化させていく。また、現地調査についてはオンラインも活用しながら準備調査等を進めたうえで、新型コロナウイルスの感染状況が落ちついている地域を中心に、本調査を適宜行っていく。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 自治の質量とまちづくりの飯田モデル : 地域自治(運営)組織への示唆として2021

    • 著者名/発表者名
      荻野亮吾・八木信一
    • 雑誌名

      佐賀大学教育学部研究論文集

      巻: 5(1) ページ: 193-212

    • DOI

      10.34551/00022886

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 水源林の保全に関する森林管理法制の重層的構造2021

    • 著者名/発表者名
      宮﨑淳
    • 雑誌名

      創価法学

      巻: 50(3) ページ: 81-106

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 作物在来品種の栽培・利用の継続性に関する考察―熊本県内での複数の取り組みを事例として―2021

    • 著者名/発表者名
      冨吉満之
    • 雑誌名

      久留米大学経済社会研究所紀要

      巻: (7) ページ: 69-81

  • [雑誌論文] 地下水ガバナンスの動態に関する研究─地下水の社会的価値を分析枠組みとして─2020

    • 著者名/発表者名
      八木信一・遠藤崇浩・ 坂東和郎・中谷 仁
    • 雑誌名

      地下水学会誌

      巻: 62(2) ページ: 219-232

    • DOI

      10.5917/jagh.62.219

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 地下水ガバナンスに関する国内関連事例集2020

    • 著者名/発表者名
      中川 啓・八木信一・石原成幸・蛯原雅之・遠藤崇浩・新貝文昭・竹内真司・中谷 仁・坂東和郎・平山利晶
    • 雑誌名

      地下水学会誌

      巻: 62(2) ページ: 233-254

    • DOI

      10.5917/jagh.62.233

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 書評 除本理史・佐無田光『きみのまちに未来はあるか?─「根っこ」から地域をつくる』2020

    • 著者名/発表者名
      八木信一
    • 雑誌名

      財政と公共政策

      巻: (68) ページ: 46-48

    • DOI

      10.14989/261083

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 地下水ガバナンスの意義とその推進に向けた課題2020

    • 著者名/発表者名
      千葉知世
    • 雑誌名

      地下水学会誌

      巻: 62(2) ページ: 191-205

    • DOI

      10.5917/jagh.62.191

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 合意形成研究が地下水ガバナンスに与える示唆は何か?2020

    • 著者名/発表者名
      遠藤崇浩
    • 雑誌名

      地下水学会誌

      巻: 62(2) ページ: 207-217

    • DOI

      10.5917/jagh.62.207

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 生活排水による水利権の侵害(1)―同一水流における水利権と排水利益の競合をめぐって―2020

    • 著者名/発表者名
      宮﨑淳
    • 雑誌名

      創価法学

      巻: 50(1) ページ: 3-19

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 生活排水による水利権の侵害(2・完)―同一水流における水利権と排水利益の競合をめぐって―2020

    • 著者名/発表者名
      宮﨑淳
    • 雑誌名

      創価法学

      巻: 50(2) ページ: 45-63

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Groundwater uses in the Great East Japan Earthquake in 2011: a case study on Disaster Emergency Wells(iPoster presentation)2020

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Endo
    • 学会等名
      American Geophysical Union fall meeting 2020
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本における災害用井戸の普及に関する一考察2020

    • 著者名/発表者名
      遠藤崇浩
    • 学会等名
      2020年地下水学会秋季講演会(オンライン)
  • [学会発表] コモンズ論とサード・セクター研究の接点を探る―環境ガバナンス論への貢献に着目して2020

    • 著者名/発表者名
      大野智彦・嶋田大作
    • 学会等名
      環境経済・政策学会2020年大会(オンライン)
  • [図書] 地下水・湧水の疑問502020

    • 著者名/発表者名
      公益財団法人 日本地下水学会編(千葉知世と遠藤崇浩が分担執筆)
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      成山堂書店
    • ISBN
      978-4-425-98361-2
  • [図書] 流域ガバナンス―流域の「しあわせ」と流域の「健全性」2020

    • 著者名/発表者名
      脇田健一・谷内茂雄・奥田 昇編(大野智彦が分担執筆)
    • 総ページ数
      454
    • 出版者
      京都大学学術出版会
    • ISBN
      978-4-8140-0303-7

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公開日: 2021-12-27  

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