研究課題/領域番号 |
20H04400
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
荒木 美奈子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (60303880)
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研究分担者 |
伊谷 樹一 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (20232382)
黒崎 龍悟 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (90512236)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 再生可能エネルギー / マイクロ水力発電 / 環境保全 / タンザニア / アフリカ / 持続可能な開発 / 内発的発展 / 適正技術 |
研究実績の概要 |
本研究は、系統電力とさまざまな再生可能エネルギー導入の試みが並存するタンザニア農村での地域間比較を通して、農民がどのように電源を選択し、どのように電気が農村に普及しているのかの実態をフィールド調査に基づき学際的・総合的に解明していくことを目的としている。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で予定していたタンザニアでのフィールド調査を実施することができなかったため、研究計画を変更し、以下の通り研究を進めた。 1)タンザニアや他のアフリカ諸国、欧州、日本における再生可能エネルギー(とりわけ小規模な水力発電)、適正技術、環境、持続可能な開発、内発的発展などに関連する文献調査を行った。2)これまでに各自が調査地で収集した資料やデータを整理・分析し、本研究課題に関連づけた論文執筆を進めた。3)定期的に研究打合せ(Zoom)を行うとともに、日本の農村で水力発電の研究・実践を積み重ねている研究者を招き研究会(Zoom)を開催した。4)上記1)、2)、3)の成果のひとつとして、伊谷・荒木・黒崎編(2021)『地域水力を考える―日本とアフリカの農村から』昭和堂を刊行した。本書には、伊谷・黒崎「ギャップを埋める地域水力」、伊谷「環境と人をつなぐ水力」、黒崎「創造的模倣としての水力発電―タンザニア農村における試みから」、 荒木「水車を介した国境を越えた協働―『ゆるやかな共』の繋がりから考える地域水力」、伊谷・荒木・黒崎「人と環境とエネルギーの関係性」が収録されている。5)日本国内で新型コロナ感染症が落ち着いている時期に、再生可能エネルギーに取り組んでいる現場を訪れたことで、本研究課題にも活かせるであろう視点を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響でタンザニアに渡航しフィールド調査を実施することができなかったため、現地での資料・データ収集に関する部分は当初の計画より遅れているが、文献調査や過去に集めたデータの整理・分析、本研究課題と関連づけた原稿執筆、共編著の出版などの成果を出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響でタンザニアでの調査が遅れているため、2022年度は、コロナ対策をしつつ、タンザニア調査に向けての準備を進めていく。タンザニアでは、当初の計画であった農村での電気普及を促進/阻害する要因・条件、世帯レベルでの電源の選択と電気の普及状況、外部アクターとのインターフェースの過程などについての調査を行う。この間の状況の変化や新型コロナウイルス感染症の影響なども踏まえた調査を実施していくために、タンザニア人及び日本人の研究協力者とも連携して集中して調査を進めていく予定である。
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