研究課題
研究課題の中心であるソーシャル・キャピタルに関する研究成果、先行研究を丹念に検討し、研究チーム全体で共有した。また、とくにロシアにおける研究成果を広範に渉猟し、研究チーム全体で課題を共有し、それに基づいてロシアにおけるソーシャル・キャピタルに関する仮説の検討を行った。新型コロナ感染症蔓延のため、当初予定された現地調査、現地研究者との対面での打ち合わせは繰り延べされ、主にオンラインを用いて科研費研究会を開催し、そこにロシア研究者を招いて、次年度以降の現地調査のための打ち合わせを含め、研究課題に関する議論を深めた。また、チェコおよびベトナム研究者にソーシャル・キャピタルと社会構造の関連についてヒヤリングすることができた。さらに本年度は、研究課題に関連して「国家主導資本主義」システムに関する理論的・実証的接近を行い、国家とソーシャル・キャピタルの関係にも接近した。科研費研究会は5回開催し、研究レビューと情報交換を行った。また、本研究課題に関連して、国際学会(EACES: European Association for Comparative EconomicsのBiannual Conferenceナポリ大会、AECF:Asian Economic Community Forumインチョンでの大会、日本学術会議と共催International Symposiumオンライン開催)にセッションを設定し、本研究課題をロシアの研究者と共同で試論的に報告した。また、国内でも2回京都大学において研究会を開催し、研究報告を行った。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナ感染症のために現地を訪問、調査、さらに現地研究者と対面で議論することができず、そのため現地調査の準備が遅れた。しかし、オンライン開催で定期的に科研費研究会を開催し、かつ国際学会に積極的に参加し、仮説の検証のための愚論の機会を確保するように努めた。また、オンラインで直接に現地研究者と連絡をとり、アドバイスを得るとともに、京都大学に滞在していた外国人研究者にヒヤリングし、ソーシャル・キャピタルの外国における事情も聞き取ることができた。
ソーシャル・キャピタルに関する内外の研究と理論的動向を検討したので、今後はロシアに焦点を当て、ソーシャル・キャピタルの特質を総合的に分析する。研究チームの優位性である、社会階層、金融、地域、企業の専門研究の高さを活かして、総合的に検討する。現地調査を行うために、現地研究者との協議を踏まえて、調査のための質問票、それに基づいて得られる仮説を慎重に検討する。とくに、調査方法、そのための経費、調査の有効性、さらに日本との比較研究の可能性を含めて広く検討する。国際共同研究を進めるために、そのネットワークを構築する。研究成果を適時、公表していく。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 5件、 査読あり 3件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 9件、 招待講演 3件) 図書 (5件)
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