研究課題/領域番号 |
20H04416
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研究機関 | 芸術文化観光専門職大学 |
研究代表者 |
西崎 伸子 芸術文化観光専門職大学, 芸術文化・観光学部, 教授 (40431647)
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研究分担者 |
樺澤 麻美 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特任助教 (20865191)
佐川 徹 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (70613579)
黒崎 龍悟 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (90512236)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 東アフリカ / 未電化地域 / 再生可能エネルギー開発 / 社会的合意形成 / 土地利用再編 / 自然保護 / 環境政策 |
研究実績の概要 |
サブサハラ以南アフリカの広大な未電力供給地域全体へのエネルギー供給を,2030年までに実現するという目標に向けて,再生可能エネルギー開発が加速している。しかし,社会的・環境的影響が十分に明らかになっているとはいえない。本研究では,東アフリカ各地の再生可能エネルギー開発による社会的合意形成と土地環境利用の変遷の把握の不備という深刻な事態に光をあて,再生可能エネルギー開発による地域社会へのインパクトと政策的・社会的解決の有効性を解明するための研究をおこなうことを目的とする。 本研究には,再生可能エネルギー開発を持続可能な地域開発の一つとして相対化することで,ローカルな文脈での開発目標(例:SDGs)に関する学術的政策的な議論を深める意義がある。 令和4(2022)年度は,新型コロナ感染症の影響が低下し,日本から東アフリカ(エチオピア、ケニア、タンザニア)への渡航と現地調査を一部再開することができた。これにより,近年の地方都市及び農村地域での電化の進展や電気料金の徴収システムが明らかになった。さらに,前年度に実施した各国の再エネ開発に関する文献情報(国家政策・制度・国際機関の開発支援等についての情報)を丹念に分析し,東アフリカ社会におけるエネルギー関連の開発の特性について明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究によって,東アフリカの再エネ開発の概要および課題が明らかにされたが,とくに再エネ開発が加速しているエチオピア北部・中部の治安状況が悪化したために,予定していた地域における現地調査が十分にできない状況が続いている。これらの地域における再エネ開発の現在の状況については,現地に詳しいエチオピア人専門家への聞き取りをオンラインで試みた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も,研究計画に従って,各研究者がエチオピア・ケニア・タンザニアの3か国で現地調査を継続する。具体的には,国際機関―政府―地域社会の交渉プロセスを関係者への聞き取りや文献調査から解明することを目指す。その過程で,環境関連の法制度(環境影響評価法,土地法等)と規制緩和などの運用面の実態をより詳細に分析する。また、再エネ開発地における土地利用再編と他の開発政策(自然保護・観光・貧困削減)の関係として,例えば再エネ開発と自然保護政策・観光開発・貧困削減策等がどのように並行して動いているのかを自然保護区内に設立されている再エネ施設(エチオピア・ケニア)とその周辺域の土地・環境利用の変遷から明らかにするとともに,地域住民へのヒヤリングを実施して解明することを目指す。
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