研究課題/領域番号 |
20H04417
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
山本 美穂 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10312399)
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研究分担者 |
大久保 達弘 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10176844)
飯塚 和也 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20344898)
早尻 正宏 北海学園大学, 経済学部, 教授 (50466637)
佐藤 宣子 九州大学, 農学研究院, 教授 (80253516)
山本 信次 岩手大学, 農学部, 教授 (80292176)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 低線量地帯 / しいたけ原木 / 西日本産クヌギ / 東日本産コナラ / 放射性セシウム / 薪 |
研究実績の概要 |
1.原発事故が原木をめぐる経済循環に及ぼした影響 1)東日本地域における原木生産および広葉樹林利用の変容:原発後11年を経て一定レベルの減衰が進んだものの、生産者の減少、高齢化、原木林の放置による大径化が進み、西日本産原木の調達を大前提とした体系での生産が震災前の10分の1の規模で継続されている。しいたけ原木としての利用は震災前に比べ極めてわずかなケースにとどまり、チップ、薪としての利用がみられる。広葉樹利用については、大手製紙会社が海外原料に切り替えたこと、福島県を中心に展開するバイオマス発電・熱利用施設が多くの原料を要すること、などから素材生産全体が針葉樹主体にスイッチしており、高線量地帯におけるバイオマス利用の是非もめぐって新たな議論と課題が表れている。 2)西日本地域における原木生産・流通構造の変化:全国的な針葉樹原木価格の乱高下を受けて、移出用のしいたけ原木生産に関わる素材生産業者が行動を変化させるなど、素材生産・流通全般において不安定要素が大きくなり、大分県全体でのしいたけ生産量の減少、しいたけ生産者、素材生産者の高齢化の中で、移出用原木をめぐる課題はむしろ大きくなっていること等を把握している。 2.旧原木林および原木樹体内の放射性物質の移動:栃木県内高原山国有林ほか数地点において、広葉樹林における樹体および土壌との物質循環に基づく放射性セシウムの挙動を計測しており、事故後10年の段階で、土壌表層部に滞留する放射性セシウムが原木適寸径級および大径化したコナラ、ミズナラ樹体内へどのように移行しているかを継続的にモニタリングした。植栽30年後のコナラ林(約35ha、15万本)供試木より、事故後10年前後の原木内の放射性セシウム濃度、しいたけへの移行について計測した結果、部分的に食品暫定基準値以下のレベルにまで減衰が進んだことを確認できた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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